年度 | 2008 |
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科目名 | 広告表現論 |
教員名 | 横内 清光 |
授業概要 | 広告表現は生活者の欲望の歴史である。また一方では企業のマーケティング戦略のショーウインドウでもある。21世紀を迎え企業社会の激変に伴い、広告の世界は徐々に姿を変えつつある。広告表現はインターネット映像によってますます多彩になり、それぞれのメディア特性による表現の模索が進んでいる。現在の広告表現は、その全てを一人の生活者が理解するには難しいほどに進化した。なぜここまで複雑化したのだろう。本講座では、まず記号論をベースに広告を読み解くことから始め、次の段階で最新のブランド理論を援用することで表現の構造を解明して行く。広告情報はどのようにして創られ、どのようにして登場してくるのか。情報と記号の相互作用としての広告表現。そのメカニズムを知ることが本講座の主眼である。「広告概論」「広告メディア論」を履修してから学んでもらいたい。 |
授業計画 | テレビ広告が変わった。 AISASの法則へ。インターネット広告の影響で、広告表現はどう変わったか? 広告表現生成のメカニズム (「記号論」で解く表現の本質) 基本は、コンセプト×(トーン&マナー)。表現の3要素の解明。 付加価値訴求の限界 (CMはヒットしても商品が売れない不思議) CMだけでは商品が売れない理由はどこにあったのか? 表現の限界説。売ることとの関係。 クリエイティブワークの枷 (マーケティング目標が表現を規制する) 面白ければいい。ただし広告表現は常に「機能を背負ったアート」という宿命を帯びる。 ダグマーの理論とAIDMAの法則(コミュニケーション・スペクトラム) 広告はじわじわ効く。広告効果をどう設定するか? それによって表現は変わってくる。 コンセプトワークの重要性(関係性を深めるための価値づくり) イメージを統一せよ。インターネットの時代だからこそ、コンセプトワークが重要になる。 なぜいまブランド広告なのか (広告効果を計るものさし) ブランド広告の表現とは? テレビで誘ってネットで売る仕組み。 「何を表現するか」から「いかに表現するか」への変遷 (コンセプトとトーン&マナー) コミュニケーションの形態が時代によって変わる。メディア特性で変わる。メタ広告!? ターゲットを直撃する表現 (セグメントが狭い表現を生む) 消費者を待ち伏せ。訴求対象を絞り込んで「買わせる広告」=ネット広告と販売連動。 記号論で読み解くタレントCM (コミュニケーション要素と物語要素) タレント広告は日本独自の発展遂げている。その記号的メカニズムは? その未来は? ブランド価値創造のケーススタディ(最近の事例から) ブランド価値とはなにか? 表現はどのように役立つのか? (事例は、直近のケースで) 商品ブランドからコーポレート・ブランドへ (トヨタ・ソニー表現戦略の背景) グローバル化する企業と、広告表現に表れたコミュニケーション戦略の変化。 |
評価方法 | 定期試験と授業中の小レポート提出により評価。出席点は10%の範囲で評価に加算。 |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | マーケティング論、広告論、広報論、広告メディア論など、広告の基礎を学んでからの履修が望ましい。広告クリエイティブ、広告管理を本格的に指向する人には必須の講座。 |