文章演習E

年度 2005
科目名 文章演習E
教員名 升野 龍男
授業概要 次のような言い方を目にしたことはありませんか。「良い文章を書くには、ひたすら書くことです」「良い文章に触れることです」「盗み取るものです」。これは文章上達のプロセスでは、大切なことです。しかし、これでは余りにも漠然としています。どんな仕事にも、スペシャリストになるための修業方法、学習の方法はあります。調理師免許でも、医師や弁護士の資格取得でも、ちゃんとした方法はある。ところが、文章作法ではそういうことは、あまり語られないようです。頭の中の作業は、工程として取り出し難いからかもしれません。皆さんのニーズは、次のようなものではないでしょうか。「文章を書くには、基本動作として、どういうことをしっかり身に付けてなければならないか。次に、書く目的は何か。エッセイか、紀行文か、ビジネス文章か、論文か。それらを書くに当っては、何をしたらよいのか。それを習慣付けるには、どうすればよいのか。その結果、どの程度の技量が身につけられるのか」。私は実務家です。かつては広告のコピーライターであり、法律、企業経営、それに学校経営にも携わっています。一方、料理人であり、旅行家でもあり、エッセイも、紀行文も書きます。案内文章ひとつとっても、一目で上手・下手、親切・不親切が分かります。私の文章演習では、こういう経験で培った文章作法を、身近に、具体的に指導してゆきたいと思います。受講前と、受講後で、どのぐらい上達するか、期待してください。
授業計画 カリキュラム
(1)高いレベルの文章を書く基本動作
(2)カテゴリー別の文章演習①自己紹介②評論④エッセイ⑤紀行文等
演習の方法論
講義を行なった上で宿題提示、次回は宿題の評価と講義・討論と宿題提示、こ
の繰り返しでゆきたい。パソコンを使った個別指導も行います。
評価方法 演習課題、文章力=目撃力・発想力(問題提起力)・概念構築力・文章定着力・展開力。具体的には、出席40%、演習課題40%、テスト20%。演習課題を期日通り的確に提出しないと合格点は得られません。遅刻は15分まで。それ以上は欠席とします。
教科書
参考書
メッセージ 「目撃・観察・洞察・発見ノート」を作成し、毎回必ず持参してください。「学びの姿勢」に付いて、次のような言葉があります。「身体の柔らかい人より、硬い人の方が大成します。何故なら、身体の柔らかな人は柔軟体操を怠りがちですが、硬い人は毎日の柔軟体操を欠かせないからです。一日怠ると自分で分かり、二日怠るとパートナーが気付く、三日怠るとお客様に分かってしまうから」。バレリーナの森下洋子さんの言葉です。器用であるより、不器用であっても努力を欠かさない人の方が上達することを、実体験から私に話してくれました。目的意識の尖らせ方、取材パワー、発見する力、感動を伝えようとする気持ちを学びたい。こういう人と、時間を共有したいですね。チャンスは誰の前にも、とうとうと大河のように流れている。それを見つけて、我がモノに出来るかどうかは、目的意識の鋭さと、ひたむきな行動力によります。