国際関係論

年度 2004
科目名 国際関係論
教員名 林  薫
授業概要 21世紀の世界システムが、経済面では国民国家に対する市場の力の増大、世界通貨に基づく自由貿易、政治面では分権的地方自治と世界政府によって特徴付けられるものになるとの予測は1980年代から行われていた。また現在、先進国においても途上国においても世界市場への統合と地方分権の進行が現実に展開し、国民国家の枠組みを超えて、地域が直接グローバルな世界に結びついていく傾向が見られる。本講義では、以上のような大きな流れの中で国際関係を考える。特に(1) 南北問題と先進国と途上国のパートナーシップ、(2) グローバリゼーションと地域協力、(3)紛争予防と平和構築を具体例として、国際統合論、相互依存論、平和構築のための理論などを踏まえて、21世紀の世界システムについて多方面から考察、検討する。
授業計画 国際関係論の基礎概念(研究対象、方法論)
国際関係の構成要素(主体、組織、システム、協調と対立)
国際関係の変遷(1)(近代以前~19世紀)
国際関係の変遷(2)(20世紀~冷戦終結~21世紀)
グローバリゼーションとローカリザーション
南北問題と途上国、先進国のパートナーシップ
地域協力(EU、ASEANなど)
紛争と平和構築
21世紀の国際社会が直面する課題と世界システム
評価方法 レポート(40点)、期末試験(40%)、授業への参加(20%)によって評価する。レポートのテーマ、試験の実施方法等は授業中に連絡する。授業への参加は出席や質問などを勘案する。
教科書 岡本三夫著『平和学を創る』広島平和研究センター

ヨハン・ガルトゥング著(高柳・塩屋・酒井共訳)『構造的暴力と平和』中央大学出版部

初瀬龍平・馬場伸也・平野謙一郎共著『国際キーワード』有斐閣

高田和夫編『国際関係論とは何か』法律文化社

参考書 ウォーラーステイン著 (川北稔訳)『史的システムとしての資本主義』岩波現代叢書

太田一男編『国家を超える視角一次世代の平和』法律文化社

メッセージ この講義は第6セメスターの科目として、国際関係論の体系的理解を目指しますが、抽象論に終わるのではなく様々なケーススタディーを盛り込んでいきたいと思います。受講されるかたは、普段から世界の動きに注目し、自分と世界との係わり合いについて感心を深めておいてください。