年度 | 2010 |
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科目名 | 国際文化協力演習 III(イスラームと開発) |
教員名 | 青木 武信 |
授業概要 | 現在、イスラーム教徒は世界の人口の約5人に1人を占め、その多くは開発途上国にくらしています。また、イスラームは基本的に聖俗不可分で、生活のすべてが宗教的な規範(イスラーム法)に強く根ざしています。そのため、イスラーム社会では、開発もイスラームの教えに基づくことが求められ、実際にイスラームの教えを基盤とする開発が多数おこなわれています。こうしたイスラーム社会の開発をめぐる試みを理解することは、異文化間での国際協力・開発援助における、文化的価値の衝突をどのように乗り越えていったら良いのか、という課題を考える上でも大きな意味をもっています。そうした視点から、本演習では、イスラーム的な開発の事例についての論文の講読を通して、ムスリムたちがイスラーム的価値と開発における近代的な価値をどのように折り合いをつけているのかを、考えます。 |
授業計画 | 開発と文化:異文化間協力をめぐる可能性と課題 イスラームの基本:聖俗/政教/経教不可分性 イスラームにおける開発をめぐる議論 イスラーム市民社会論 イスラーム福祉国家論 ザカートとワクフ:イスラームの寄進制度 イスラームとボランティア/チャリティー イスラーム的組織論 イスラームとNGO イスラームにおける災害援助 イスラーム的環境保護運動 イスラームにおける社会開発/援助と政治的戦略 開発・環境をめぐるイスラーム社会との協力関係のあり方 まとめ:これからのイスラーム社会と開発 |
評価方法 | 毎回の出席を基本とし、論文講読時の活動により評価します。ただし、成績評価の基準は次の通り。AA)講読論文の内容を正しく理解し、発展的な議論を導くことができている、A) 講読論文の内容をほぼ正しく理解している、B) 講読論文の内容理解がやや不十分である、C) 講読論文の内容理解に若干の難点があるD)講読論文の内容をまったく理解していない。 |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | 異文化間協力について考えるときに、イスラーム社会の事例は大変興味深く、参考になるものです。国際開発協力事業に関心のある、あるいはそうした国際協力に携わりたいという受講生の積極的な参加をまっています。 |