数学科教育法 II

年度 2010
科目名 数学科教育法 II
教員名 牧下 英世
授業概要 中学校数学と関連させながら高校数学の教育内容の理解を深める。そして高校数学の必要性を具体的に明らかにする。また,項目を絞って,学ぶ必然性を強調するような学習指導案を作成し,教育実習のための模擬授業を実施する。
授業計画 ガイダンス:高校数学を学ぶ必然性を考えるとともに,授業目標を考察する。また,授業方針と授業形態を説明するとともに,全員で共通な理解を目指す。
講義と演習:高校数学について(1)「数列」(高校数学B 2年次)の扱い方を中心に,身の回りのある[数列」について考察する。
講義と演習:高校数学について(2)「微分・積分」(高校数学 II 2年次)の扱い方を中心に,その概念について考察する。
講義と演習:テクノロジーを活用した数学を体感する。グラフ関数電卓を中心に
学習指導案の作成(1):「二次関数」(高校数学1 1年次)を導入例として
学習指導案の作成(2):「図形と計量」(高校数学I 1年次)を導入例として
学習指導案の作成(3):「図形と方程式」(高校数学II 2年次)大学入試問題とからめて
模擬授業(1):中学校数学との関わりを重視した模擬授業をめざす。授業(30分×2=60分)と研究協議(30分):題材「確率」
模擬授業(2):身の回りの現象に目を向けた模擬授業をめざす。授業(30分×2=60分)と研究協議(30分):題材「指数関数」
模擬授業(3):微分の必要性に焦点を当てた模擬授業をめざす。授業(30分×2=60分)と研究協議(30分):題材「微分・積分」
模擬授業(4):理科との関連を意識した模擬授業をめざす。有向線分の具体例を日常に求めながら、ベクトル概念を抽出する。授業(30分×2=60分)と研究協議(30分):題材「 ベクトル」
日本数学教育史(1)について―20世紀初頭の世界的な数学教育改造運動(ペリー運動)を中心に
日本数学教育史(2)について―20世紀中葉の世界的な数学教育改造運動(現代化運動)を中心に
学習指導要領に示された高等学校数学の内容について
定期考査
評価方法 課題図書の読後考察と感想 15% , 担当テーマの発表 25%,課題レポート 25% ,定期考査 35%
教科書
参考書
メッセージ 「好きこそものの上手なれ」という諺がある。教職,数学科を目指す者は,数学が好きであることが必要だと思う。特に,ものごとを数学的に考えることを好きでないと数学の教師は務まらない。好きである以上に,「数学ができること」が要求される。これからの数学教育では,生徒に対して事象を数学的活動を通していかに指導していくのかが重要なポイントになっていく。そのためには,数学問題演習,授業研究,教材研究だけでなく,現場の生きた授業を参考にしながら,自らの数学教育観を確立することが重要になる。そのためにも,本講座では講義だけでなく現役教師の算数・数学教育研究会や講演に積極的に出かけていくことを予定している。主体的かつ積極的に参加して欲しい。