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内容分析研究の展開
日吉昭彦(成城大学)
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マス・コミュニケーション研究
第64号
2004年
p5-p24
本論文について
要 旨
メディアの内容分析の定義、日本におけるメディアの内容分析研究の方法論の論点、行動科学的な方法とセンサス、ビジネスなどの方法論の概略を行った上で、実践的に内容分析調査を行うための方法を解説したものです。
特 徴
実践的な方法の解説である点が一つの特徴になっています。 メディアの内容分析が、行動科学の方法を応用し、行政的な関心のなかで、センサス的な方法と公衆衛生という理念と接合しながら、研究を進めてきた点を概説しています。これまであまり言及されてこなかった論点ではないでしょうか。
解 説(簡単な)
メディアの内容分析とは、統計的な方法を用いた、実証的な研究方法を指します。
付 記
本論文が掲載されているマス・コミュニケーション研究は、「メッセージ分析の可能性」という特集が組まれています。本稿は、その特集の一部になっています。
編集をしていただた法政大学の藤田真文先生には、心より感謝申し上げたいと思います。
◆ 掲載の一部 ◆
※本文は、「内容分析研究の展開」の冒頭部分の一部を掲載したものです。ご関心を持っていただけた方は、是非、「マスコミュニケーション研究」第64号をご覧ください。
内容分析研究の展開
日吉 昭彦
はじめに
はじめに 内容分析は、マス・コミュニケーション研究における代表的な実証的方法の一つであり、メディア・メッセージを統計調査にもとづいて科学的に研究するために用いる技法である。本稿は、その調査方法についての実践的な解説である。
三上は、一九七八年から八七年までの十年間で、アメリカの学術誌"Journalism Quarterly"に掲載された、定量的な方法による内容分析を用いた論文が、年間平均約二七本あり、その数が増加する傾向にあることを示しながら、内容分析が「通常の社会調査と同様に、メディア内容の数量化のための標準的な技法としての地位を確立[三上 一九八八]」していると指摘している。また、リフら[Riffe 1997]によると、一九七〇年代から近年にかけて、アメリカの主なマスコミ研究領域の学術誌に掲載された論文の二割以上は、内容分析の方法を用いており、こうした論文数は増加傾向にある。リフらは、その背景に、ジャーナリズムやマスコミの研究者の数や学術誌の頁数の増加、大学院教育の拡大、マスコミ研究の視野の広まり、データベース・アーカイブの利用の実現、メディア表現の現実性についての新しい関心の高まり、などがあるという。アメリカでは近年になるにしたがって、内容分析が数多く行われるようになっている。内容分析は決して「従来の」「伝統的で」「古典的な」手法ではない。
一方、三上が指摘するように「わが国でこれまで行われた内容分析関連の研究は欧米と比べると非常に少ない[前掲]」のが現状であろう。例えば、戦後の各種学術誌の書誌データを検索できる「日外アソシエーツ」が提供する雑誌記事索引「MAGAZINEPLUS」を用いて、「内容分析」をキーワードに検索すると、本稿の執筆時点で、四九八件が該当する(1)。そのうち、「福祉・看護の領域での、実践や教育などに関する各種資料」「教育や保育の領域での、学習・指導内容や方法、カリキュラム、テストや解答、教材などに関する各種資料」「心理や行動の領域での、社会調査・実験などにもとづく各種資料」「政治・公的文書」「企業活動関連の文書や報告書」「証言や書簡などの資料」を分析したものや、その他「文学、民俗学、言語学、体育学、図書館・情報学、自然科学一般の領域などでの研究」を除くと、新聞や出版、放送など、マス・メディア領域の記事や論文は一六一件(三六件の「教科書」の分析、八件の電子ネットワークの分析を含む)である(2)。データには定性的な分析も方法論に関するものも含まれており、母集団の特性も不明確であるので、雑駁なものであるが、"Journalism Quarterly"一誌だけで二五年間に四八六本の内容分析研究が発表されている[Riffe 1997]ことを念頭に置くと、日本で内容分析研究が盛んに行われているとはいえない。
内容分析研究には、なぜ測定するのか、有効性はあるのか、といった問いかけがしばしばなされ、日本の研究者も、成果や系譜の概説とともに、方法論的立場を認識論的に問い直すような論争を続けてきた。前段で示したように、内容分析は多種多様な分野で用いられており、多領域のディシプリンを融合した議論は、日本のマス・コミュニケーション研究における内容分析の方法論的発展に寄与してきた。しかし、定量的な方法による内容分析が、社会調査と同様に標準的な技法となっているとはいえ、その方法が日本において実用的に示される機会は少ないようである。例えば、内容分析の方法についての日本の出版物としては、クリッペンドルフのものがある[Krippendorff 1980]が、一冊にまとまった書籍は他に見当たらない。また、著者自らが述べているように方法論的である。内容分析が調査技法である以上、実践的な方法のモデル化も、研究の促進と発展につながるにちがいない。
そこで本稿は、簡略ではあるが、定義や方法論についての概説を試み、筆者が実際に行った過去の調査を実例に、方法の解説を進めていきたい。
→ 続きにご関心がある方は、「マスコミュニケーション研究」第64号をご覧ください。
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