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メディアの外国人表現
~ 外国人言説の読解に関する実証的研究 ~
日吉昭彦
成城大学大学院修士論文(未出版)
文学研究科コミュニケーション学専攻
1996年3月
要旨
現在、日本に在住する外国人は登録者数で総人口の1%を超え、国内では急激な人の国際化が進展している。この環境変化をめぐり、日常生活上の日本人と外国人の関係や新規来住者と既住者の関係など、コミュニケーションをめぐる諸問題は模索されつつあるが、解決を待つものも多い。現代社会において、マスメディアは日常生活の指針となる貴重な情報源の一つであり、日常生活でのコミュニケーションが円滑に行なわれるためには、的確な情報による、相互の正しい認識と理解が必要である。
マスメディアの提示する内容は人の国際化に対応し、円滑なコミュニケーションを助長する内容となっているだろうか。例えば、1970年代のアメリカの研究には、公民権運動を背景にテレビ内容の少数派表現が変化を見せたことを示すものがある
本論文は、日本のマスメディアの内容に表現された外国人像の現状を、放映内容に現われた数量的実態や表現姿勢などから明らかにし、足早に迫る「国際化時代の共生社会」を目前にしたマスメディアの外国人観や表現の在り方を考察するものである。
第1章)全世界的な人間の移動傾向による内なる国際化の現状と移民対策などの諸例を概略するとともに、情報メディアのグローバル化と、ローカル・メディアの情報発信の観点から、情報の国際化という現象について考察した。
第2章)「日本および日本のマスメディアの国際化」をテーマに、フォーカス・グループ・インタビューを行った。 「欧米」出身グループ、「アジア」出身グループ、「南米」出身グループなど、出身地域ごとのグループに、日常生活とコミュニケーションや行政の国際化、国際化の意義、メディアと国際化、などをテーマにインタビューを行った。また、日本人大学生のグループに、在日外国人とのコミュニケーション経験や対外イメージ、メディアと国際化、などをテーマにインタビューを行った。
第3章)日本のマス・メディアの「外国人」表象について考察した。外国人という言葉の変遷の分析や、戦後の日本占領軍に関する新聞の犯罪報道と規制、犯人が「外国人から殺していく」と述べた「全日空のハイジャック事件報道」のテレビ報道とインターネット報道の比較、などを行いながら、メディア言説の分析の枠組みを提示した。
第4章)1993年の夏から1994年の春にかけて社会問題となった「コメ輸入問題」にともなう「タイ米騒動」を分析した。「タイ米」輸入に関する朝日新聞の報道について、内容分析/ディスコース分析を行い、新聞記事のトピックの変遷傾向および社説の論理の変遷を分析した。
第5章)1970年代にアメリカで行われたテレビの内容分析調査の事例を概略し、第6節で行うテレビの内容分析調査の方法論的背景を示した。
第6章)在京の民間放送キー局(日本テレビ/TBSテレビ/フジテレビ/テレビ朝日/テレビ東京)計5局を対象として、1995年7月1日(土曜)午前7:00から7月3日(月曜)午前7:00までの週末2日間全日と、7月1日(土曜)から7月7日(金曜)までの1週間の午後19:00から21:00までの時間帯に放映された、全テレビ番組の内容分析を行った(平日はテレビ広告のみの分析)。
テレビ番組に関しては、外国人に関するニュースや外国人が登場した番組を対象に、トピックや放映時間などを分析した。テレビ広告に関しては、放送日や時間帯、広告業種によってテレビ広告を分類し、登場人物の人種や性別、年齢、役割、発話言語、行為、登場場面背景などを集計した。
終章)「人種・民族性」「少数派」「外国人」などの概念について検討した。
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