現代社会と性

年度 2008
科目名 現代社会と性
教員名 椎野 信雄
授業概要 「性」とは何か?あのセックスとしての性のことですが、その「性」とは何か?を、考えてみませんか。興味本意やマスメディア情報や保健体育や性教育としての「性」とは異なった視点から性現象を理解してみませんか。また、「現代社会」とは「近代社会」の展開としての社会のことです。つまり、「脱近代社会」の可能性を持つのが「現代社会」なのです。この現代社会と性は密接な関係をもって作り出されているという視点をもって、「性」のことを再考してみませんか。具体的には、現代社会における性現象(家族・結婚・カップル・恋愛・セックスなどの私生活領域)のあり方を「シングル単位社会論」の視点から物されたテキストを読みながら考察していきます。また脱近代社会に向かっている諸外国の現状の「性」現象をビデオでみることによって日本社会のそれと比較して見ます。性のことを考える際に自明の大前提となっている「男女二分法」の発想をアンラーンすることによって、家族単位の現代日本社会の性現象の諸問題を理解し、脱近代社会のあり方を考察できるように授業をしたいと思います。
授業計画 講義ガイダンス
20世紀の家族単位社会日本
家族/恋愛/結婚論
離婚/親子論
性愛論
シングル単位社会論
共同幻想としての恋愛
制度としての異性結婚
近代社会の男女二分法
セクシュアリティ
脱性別社会
個人単位社会へ
21世紀の社会(脱近代社会)
V1「<近代家族>の誕生と変貌」
V2「脱<近代家族>への道」
V3「男と女・多様化する結婚のかたち」
V4「オランダ・ワークシェアリング」
V5「ウーマン・豊かな国の静かな革命」
V6「父親・アメリカ家庭」
V7「デンマークの子ども家庭サービス」
V8「ディベート・専業主婦」
プレゼンテーション1
プレゼンテーション2
プレゼンテーション3
プレゼンテーション4
評価方法 毎週予習課題を提出し、2/3以上の出席率で、プレゼンテーションをした者が受験資格ありとする。出席(13%)、授業コメントペーパー(26%)、読書課題(20%)、プレゼンテーション(10%)、セメスター末の定期試験の「レポート」(4000字)(30%)で評価します。読書課題やプレゼンテーションや「レポート」については授業中に説明をします。
教科書
参考書
メッセージ この授業は、講義内容を暗記したり、覚えたり、記憶したりすることに主眼が置かれているのではなく、ある物事についての考え方・見方・捉え方を、自分で興味・関心をもって、自分の頭で理解し直してみることに主眼があります。いわゆる私生活の領域のこと(性現象)について、これまでとは違った視点で考えてみませんか。家族や性現象をアンラーンすると、人生観が変わります。「ジェンダー論」の共通教養科目を受講していることが望ましいが、必修ではありません。毎週予習課題をしてくる学生を前提に、アンティーチ(unteach)してゆく授業を進めていきます。