文献講読

年度 2007
科目名 文献講読
教員名 横内 清光
授業概要 21世紀はデザインの時代だといわれる。「美しさ・コミュニケーション・知恵」が、荒々しい経済活動や、むき出しの科学技術に替わって求められる時代なのである。ここに従来は美術大学生の学ぶ領域とされていた「デザイン論」の修得が、広報学科の学生にも必要な時代がやってきている。本講で採用した文献は、現代デザインの歴史を平明に鋭く捉えた『デザインの20世紀』である。著者は図像学の研究者で東京造形大学教授の柏木博氏。生活用品、工業生産物、建築、広告など、幅広い視野から解き起こすデザイン活動の歴史は、20世紀の優れた時代考察ともなっている。デザイン論の入門編として、受講生の視野を広げ思考を養う場にしていきたい。歴史的思考方法は、学生時代に身につけておきたいものである。
授業計画 各回、以下の内容を学習してゆく。
オリエンテーション&講読:生活の総合デザインを夢見た「アート&クラフト運動」
20世紀の初めの新たなる精神活動「アール・ヌーボー」
大量生産デザインの出現「フォーディズム」
ドイツの造形学校「バウハウス」
アメリカのインダストリアル・デザイン「流線型と速度」
いま再評価される消費社会のデザイン「アール・デコ」
理解度テスト(課題に対する思考と記述:60分)
革命の夢から生まれた「ロシアン・アヴァンギャルド」
市場のデザイン「合理化と標準化」
生活様式のデザイン「アメリカン・カルチャー」
欲望を組織する「広告デザイン」
電子テクノロジー「ポストモダンのデザイン」
ディスカッション&総括
評価方法 中間小テスト1回、最終授業までのレポート提出で、60%以内の評価を行う。その他、授業中の質疑応答で30%、積極的発言を評価。出席点で10%以内の加点評価する。
教科書
参考書
メッセージ デザインって、すごく幅広い言葉だって知っていた? 建築やクルマ・飛行機のデザインから、スプーンや衣服などのデザインはもちろん、このようなカタチに見える物だけでなく、設計思想や政策に至る抽象的な世界まで、デザインという言葉は使われています。広報学科に学ぶキミは、さて、どんな分野のデザインに興味があるかな? この本で学習すると、デザインに対する考え方が変わる。