年度 | 2007 |
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科目名 | オペレーションズ・リサーチ(E) |
教員名 | 真鍋 龍太郎 |
授業概要 | 経営方針に従って組織の企画・運営し,さらに情報システムの計画,設計,開発や,効率的な運用をするには,現在ではコンピュータや通信に関する理解と共に,システム的なあるいは組織の内外を全般的に見渡した発想と,問題の発見や解決の方法が欠かせない.たとえば銀行の支店にATMを設置する方法は情報技術が教えてくれるが,何台設置すべきかは教えてくれない.それはORの役割である.この視点からの,モデルを使った問題発見と解決の考え方と道具がオペレーションズ・リサーチ(あるいは経営科学)で,ここではその入門を勉強する.授業の前半では教科書に従い,後半は資料を配布する. |
授業計画 | 0.オペレーションズ・リサーチは問題解決の考え方と方法 1.データの収集--1枚の伝票からデータを集めることからはじまる 2.問題の構造を図で示す――清涼飲料水の売上げに影響がある要因は何かを考える 3.どの要因が一番効いているか――ABC分析,効いている要因を探ることを試みる 4.表計算ソフトは便利だ――Excelはデータの集積だけではなく,表示したり,モデルをこしらえたり,グラフを描くこと,統計分析をすること,最適化をすることの道具として利用するので,その概要を知っておく 5.何がどのように売れているか--データを分析して売上げの要因を掴むなどの新たな事実を読み取る 6.商品をどれだけ準備しておくか--在庫品を売って商売をしていると在庫は宝であるが,在庫は投資した金額が眠っているという見方もできる.どれだけ在庫を持つのがいいのか 7.何をどれだけ生産すればいいか--製品は売れる量にも生産に必要な資源の量にも制限がある.Excelの上で,生産計画問題のモデルを考える 8.どこからどこへどれだけ運ぶか--全社の輸送コストをできるだけ抑えるには,各工場からどの営業所にどれだけ輸送するのがいいかを考える 9.人の配置をどうするか--営業要員を効果的に転勤させる問題を考える. 10.何が問題か--問題点を一旦解決した積もりの結果を得ても,見直してみないといけない 11.意思決定を助ける--意思決定問題の多くは複数の相反する条件のもとでの問題で,それを扱う方法を階層化意思決定法(AHP)を学ぶ 12.新規事業の採算を考える--投資が引き合うかどうかは問題の条件により異なる.経済性工学に基づく分析の基礎的考え方を学ぶ 13. プロジェクトの計画と管理--時間,コスト,品質,人材など多面的な管理がいるプロジェクトを進めるための基本である,時間的な計画と管理の代表的な方法PERTを学ぶ 14. 社員食堂の昼食時の行列の長さはどう変わるか--客が集中的に来る食堂の待ち行列の長さが時間が変わるかのシミュレーション(実験)をする 15.混雑している待ちの問題--人の流れを水の流れのように見て,累積の到着人数と,退出人数のグラフを描きサービスの問題を考える 16. レジは何台設けたらよいか,何台開けておいたらよいか--待ち行列理論の結果を利用して,設置すべき台数を決める問題を扱う 17.組織の中でのORの実施--ORで問題の解決をしてゆく過程を学んでまとめとする. ・上の5~8,15~16は2回程度,11~13は3回程度行う.・Excelは初級シスアドの試験が要求しているレベルまで使えるとする.・以上の内容は,受講者の理解度や関心によって調整する |
評価方法 | 期末試験および学期の中間で実施する試験を主な評価対象にし,授業の中で随時行う小テスト,随時出題する課題へのレポート,出席状況などを加味するする.小テストや課題は,自分の頭で考え,自分の手で行うことが大事. |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | たとえ組織や企業内もいても,ただそこにいるだけでは問題点は見つからないのです.もっとうまく,効率的に,目的にかなうようにするにはどうしたらよいかを常に意識し,日常の生活の中でも何につけても物事をうまく進めるにはどうしたら良いかを考えること,いろいろなことに疑問を持つ癖をつけておくことが必要です.そこから,新たな問題がみつかり,新たな考えや方法も産まれてきます. |