人間関係論

年度 2007
科目名 人間関係論
教員名 未定
授業概要 我々の社会生活を考えるにあたって、他者はいたるところに関連している。我々が「当たり前」と感じていることは、そのほとんどが他者との間で共有されていることである。逆に言えば、他者と共有されていなければそれは全く「当たり前」のことではない。自分自身について考えるときも、他者と比較しなくては評価のしようがないし、相手がどんな人だと考えるかによって、自分の行動も影響を受ける。本講義では、社会心理学的な実証研究の知見の紹介を中心として、人間関係の性質の検討に加えて、人間関係によって何がもたらされるかも含めて対象とする。
授業計画 イントロダクション:「常識を疑う目」
実証研究の考え方
自己認知:自分がどんな人間かは周りの他者が決める
自己呈示:相手にどんな自分を見せるのか
対人認知:他者の感情や性格をどう捉えるか
原因帰属:あの人はなぜこんなことをするのか
態度と説得:説得力って何だ?
援助行動:道にうずくまる人を助けないのはなぜ?
集団過程:集団が決める「常識」
世論過程:周囲との口コミが世論を決める
社会的交換:利益とコストで対人関係を捉えると・・
囚人のジレンマ:信じることの難しさ
評価方法 学期末に試験を行う。その他、授業時間中の課題と出席点も加味する。
教科書
参考書
メッセージ 本講義の裏のテーマは、「常識を疑う」視点の面白さを知ってもらうことです。我々が人間関係において当たり前だと思っていることも、なぜ当然と言えるのかを考えてみると、うまく説明できないことが多々あるでしょう。探求の出発点になるのは「なんで常識と言えるのか」「そもそも本当に常識なのか」という疑問です。知的好奇心のアンテナを高くしておいてください。