総合科目A

年度 2006
科目名 総合科目A
教員名 藤井 美文 他
授業概要 環境問題、福祉問題、広く安全の問題(たとえば、治安の維持や食品安全の問題など)・・といった社会的(公的)課題の多くは、従来のような国や地方の行政、企業、教育組織、労働組織といった伝統的に大きな役割を果たしてきた組織だけに大きく依存できないほど解決困難で複雑なものになってきている。一方、日本社会では、消費者、有権者、納税者、地域住民といった様々な立場から自ら発言し、発議し、問題解決にあたるといった面では欧米に比して小さな役割しか果たしてこなかった。 市民社会への期待はどんどん増しているのに、市民社会の力量はまだ小さいものでしかない。授業では、藤井美文、山田修嗣を中心に、それぞれの専門と経験から、市民社会と主に公共的な問題に対する意思決定の関係を論じる中で、市民主義の可能性と限界を共に考えていく。 授業では各サブテーマごとに、出来る限り事例などを示して理解し易いものにするよう心がける。
授業計画 授業ガイダンス
テーマ設定の背景と講義の予定
藤井美文:「市民」とはなにか?、ガバメントとガバナンス
藤井美文:民主主義のおける市民参加をめぐって(守護者への委任か参加民主主義か)
藤井美文:グローバル化にともなう国際秩序の再編とガバナンス問題
藤井美文:環境問題と意思決定の仕組みの変化(リスク社会論とガバナンス)
山田修嗣:市民社会論と公的決定(市民社会における自己責任と自己決定)
山田修嗣:個人と社会の関係(企業における意思決定と個人の関係を例に)
山田修嗣:現代社会の社会的アクターと社会的コミュニケーション
全体で12回程度を上記テーマで配分する(詳しくは初回のガイダンスで示す)
評価方法 評価方法については、出席点に加えて、学生発表や課題などの結果を総合化して成績をつける予定である。
教科書
参考書
メッセージ 「総合科目」は、一人の先生が行う通常の授業とは違って、複数の教員が一つのテーマをめぐってそれぞれの専門の立場から講義を行ってゆく学際的なアプローチの授業である。授業のスタイルも評価方法も他の科目とは異なっているので、必ず最初の授業に出席してガイダンスを聞くこと。