システムダイナミクス

年度 2005
科目名 システムダイナミクス
教員名 真鍋 龍太郎
授業概要 社会の中ではすべてのものがシステムという複雑な構造のなかで互いに関連しあって動いている.そこで,システム思考という視点からいろいろな現象を観察し,モデルを作って考察したい.シミュレーションは,現実の問題を実際の状況ではなくモデルを作ってそのうえで実際にあるのと同じような場合の実験をして評価をしようとする方法である.ここでは,企業内や社会の中での,時間と共に変化する動的な問題に対する,システムダイナミックスと呼ばれる方法を理解し,講義やデモにあわせて,演習や実習をする. 前半は主に教室で,システム思考についての講義と演習をする.後半はPC教室で,システム・ダイナミックスのためのソフトStellaを使って,実習をしながらモデルの作成,計算をし,結果を考察する.
授業計画 シミュレーションの目的,機能・・・・シミュレーション一般の理解
シミュレーションと乱数・・・・乱数を使う実験を理解し,表計算ソフト上で演習する
システムとは・・・・システムとは何か,とくに動的なシステムの構造はどんなものか
システムを理解するための演習・・・・システムの例を特定し,その動きを考える
システム思考とは・・・・その基本原則を理解する
時系列グラフとシステム構造・・・・変数を特定し時系列変化を描き動的システムを理解
因果ループとシステム構造・・・・変化の要因と変数の間の関係を把握するための方法
因果ループ図を描く演習・・・・モデル作成の基礎になる図を複数の問題について描く
Stellaの基本的な構成・・・・このソフトを利用してモデルを作成し計算する基本
Stellaの基本の実習・・・・既に作られているモデルを動かしてソフトの理解を深める
Stellaによるモデリングのしかた・・・・サブモデルと全体モデルの作り方
モデルの作成(実習)・・・・小さいモデルで,モデル作成から計算,検討までを試みる
Stellaによるモデリング・・・・情報システムの役割,人口変化,環境などのモデル例示
総合演習・・・・各自が考える問題をシステムダイナミックモデルの作成と計算
総合演習(2)・・・・計算結果の検討とモデルの修正,計算,検討
評価方法 授業の中で随時行う小テストと宿題,出席状況(30%).総合演習の結果のレポート.教科書の中の演習問題と,自分でみつける問題(70%). 自らの頭で考え,自らの手で実施してあることが認められないものは評価しません.
教科書
参考書
メッセージ かつては,シミュレーションを実施するには,モデルをつくることと同じかそれ以上にプログラムを作ることに時間と労力を費した.ところが,現在では計算どころか,モデルを作る過程から計算機が大いに支援してくれる.したがって,われわれはいかに問題意識をもつか,何を評価したらよいかに集中でき,そのセンスが大きく表に出て評価されるようになった.君たちには,道具に負けないような,洞察力が要求される.