世界経済論

年度 2005
科目名 世界経済論
教員名 太田 辰幸
授業概要 飢餓に苦しんだ戦後の悲惨な状態からわが国が世界第二の経済大国に発展した要因は国民の努力もさることながら戦後の国際経済環境によって少なからず恩恵を蒙ってきました。戦後国際経済制度の枠組みの変容、世界貿易の量的拡大と質的変化、国際間の資本移動の急増、地域経済統合の進展、途上国経済の台頭など世界経済は大きな変化を遂げました。講義ではこれら諸問題の背後にある要因を学び、世界経済の主要な課題を理解して貰いたいと思います。 食料(自給率4割)、資源、エネルギーの大半を外国に依存するわが国はますます激化するグローバルな国際競争時代を迎え、これら諸問題について基本的な知識を備え、理解を深めることが求められています。日本経済と国際経済との垣根がなくなりつつある現在、世界経済を知ることが日本経済をよりよく知ることにもなるでしょう。
授業計画 世界経済をいかにとらえるか:世界経済の変遷、戦後の国際経済制度の基本的枠組み、世界経済のシステム的見方とは
経済のグローバル化とその影響:モノ、カネ、ヒト、情報、サービスの国際間移動の拡大。経済の相互依存関係の深化。
世界貿易の拡大とその要因:保護貿易から自由貿易へ。産業内貿易の拡大。
国際資本移動の活発化とそのインパクト:なぜ海外直接投資を行うか、多国籍企業の役割、貿易への影響
アジア新興工業国の台頭とその意義:アジアNIES、中国経済の発展
地域経済統合の動き:アセアン、EU, NAFTAの結成、背景、意義。自由貿易協定
世界経済の新たな動き:BRICsの台頭、経済成長と環境問題
評価方法 出欠状況、レポート、テストによって綜合判定する。
教科書
参考書
メッセージ つねにまず日本経済、ついでアジア経済を視座において世界経済を考えて講義します。基本的に世界経済の見方が身につくように講義をすすめたい。経済現象にはつねに原因があって結果があり、ひとつの現象は他の現象の要因になるという、システム的な見方を学んでほしいものです。本科目の受講生には国際経済開発政策の履修を勧めます。