比較芸術論

年度 2004
科目名 比較芸術論
教員名 高師 昭南
授業概要 生物物理学的視点からみるリズムの問題を通して,芸術の世界と日常の世界がどう連続しどう違っているかを見る。フラクタル的ゆらぎ,動的協力性,拍子とリズムの違い,分割と分節の違い,被担性,受動的能動性,前駆性,中心と周縁,響存構造の生成といった概念を踏まえつつ,具体例を通してテ-マに迫りたい。今回は特に上演芸術を具体例にしてリズムの問題を考える。
授業計画 逸脱にして秩序―ボッティチェリ「プリマベ-ラ」におけるヘルメスをめぐって
リズムと拍子―(Ⅰ)舞踊「ボレロ」を通して,(Ⅱ)東西の音楽を通して
ノリの研究―リズム・メロディと高揚度曲線
ドラマ,バレ-,オペラ,映画における「ロミオとジュリエット」
反復と更新―(Ⅰ)「仮名手本忠臣蔵」を通して,(Ⅱ)映画「キャラバン」を通して
舞踊と反転性―(Ⅰ)舞踊「マノン」を通して
芸術とカオス,螺旋,渦巻きの生物物理学
反転性と響存構造の生成―オペラ『トスカ』を通して
疎外とリアリズム(Ⅰ)―ストリンドベリ「令嬢ジュリ」
疎外とリアリアズム(Ⅱ)―テネシ-・ウイリアムズ「欲望という名の電車」
あやういバランスと予感の情動性―大道芸をめぐって
中心と周縁の反転性―(Ⅰ)「オイディプス王」を通して,(Ⅱ)「真夏の夜の夢」を通して
異邦人と反転性―映画「予告された殺人の記録」を通して
フラクタル的ゆらぎと映画「エレクトラ」
生きている系とオペラ「椿姫」
日常の常識的な判断を破る,あるいは常識的な選択から逸れるとオペラ「カルメン」
序破急とリズム―浪曲「藤十郎の恋」,舞踊「鐘ケ岬」を通して
生の根底としての「ふれあう」―岩下哲二君の「描く」を通して
評価方法 セメスター末に提出のレポートと、授業中の小レポート及び出席点によって評価。
教科書
参考書
メッセージ 制作としての学習姿勢―作りつつ学ぶ姿勢を習得していただきたい。レポ-ト作成及び参照プリントは,その趣旨に従ったものである。