アメリカの社会制度と文化B

年度 2004
科目名 アメリカの社会制度と文化B
教員名 浅井 理恵子
授業概要 自由と平等を国家理念として掲げるアメリカは、同時に文化的多様性を重視し、人種・民族集団、階級、ジェンダー(社会的・文化的に規定される性差)などにもとづく各集団の自律性を尊重しようとする指向も持っています。これらの「理想」としてのアメリカ像が唱えられるいっぽうで、現実には社会のあらゆるところに不平等が存在しています。そして、アメリカが謳う多様性が、この不平等に深く関連していることが多いのです。たとえば「富める国」アメリカにおいては、実際には、「アンダークラス」と呼ばれる貧困層が象徴するように、富める人と貧しい人の経済的な格差が厳然として存在しています。この貧困の問題には、人種やジェンダーといった社会的カテゴリーが深く関わっています。また、教育の分野においても、機会均等の原則と多様性尊重の原則がしばしば矛盾を引き起こし、教育レベルの格差を生み出すことがあります。アメリカ政府は、このような不平等を解消すべく、さまざまな政策を講じていますが、理想と現実の狭間で試行錯誤が続いています。このコースでは、「福祉」と「教育」を軸として、日本との比較の視点も取り入れながら、理念としてのアメリカの光の部分と現実としてのアメリカの陰の部分を見ていきたいと思います。
授業計画 前半は教育の面から、後半は福祉の面から見ていきます。詳細は授業中に提示します。
クラスのはじめにおいて、アメリカの教育や福祉の若干の歴史的、思想的背景に関する講義を行います。授業の中心は、受講生によるレポート発表・討論です。また、このクラスでは統計資料の活用やインターネットによる情報収集などを積極的に取り入れていきます。さらに、現代アメリカにおける教育や福祉に関する鋭い関心を持つために、新聞・雑誌記事の紹介も随時行います。
評価方法 授業への参加度(レポート発表やディスカッションへの参加、資料提供等):50%,出席点:20%, レポート:30%として、総合的に評価します。
教科書
参考書
メッセージ 日本の教育や社会福祉は、その理念、方法においてアメリカの影響を強く受けています。その意味で、アメリカの教育、福祉について学ぶことは日本の将来を考える際に指針を与えてくれるでしょう。