総合講座B

年度 2003
科目名 総合講座B
教員名  飯野 他
授業概要 青年期は様々に揺れ動く世代です。この講座ではそのような時期に自己をみつめ、自己の確立を目指すための多様なヒントを得られるようにします。具体的には、1回目から3回目までの石川先生の講義では、自分が女性であることの意味を、4回目から7回目までの村野先生の講義では、青年期にとっての宗教の役割を、そして、8回目から11回目まで飯野先生の講義では、青年期の人々と法との関わりを考えます。講義の各回ごとに質問カードを用意しますから、質問やもっと聞きたいことを書き込んで提出してください。12回目のシンポジウムで、担当者の3人がそれぞれの視点で答えることにします。
授業計画 ◎ 「女性性を考える」- 担当:石川洋子
私たちは、自分が女性であること(男性であること)から逃れることはできません。青年期は特に、性を意識する時期ですが、自分の性を見つめ、これを生きるために、ユング心理学を手がかりに考えていきたいと思います。女性とは何か、自分とは何かは、一生涯自分について回るテーマでしょう。
心の発達
女性性・男性性
自己を見つめて
◎「青年期と宗教」-担当:村野宣男
青年期では、自我に目覚めつつもいまだ揺れ動き自己の確立が目指されている。そもそも人間は完全ではなく、無力な存在であり、絶対的な力に頼ることによって心のバランスを保つことができる。ここに、宗教の存在の意味があるが、人間のライフサイクルにおいて極めて不安定な青年期において、しばしば宗教との強い関わりが見られる。しかしながら、オーム真理教に見られるように、多くの若者が宗教によって破滅する可能性がある。宗教との正しい関わり方が問題となるの
である。

人間のライフサイクルにおける青年期の特徴
人間と宗教
青年期と宗教
青年期と宗教
宗教への正しい関わり方
◎「青年期と法」-担当:飯野 守
戦後の日本で話題となった、未成年者ないしは青少年が関わった具体的な事件とその中の人間模様を考えることを通じて、青年期の人々と法との多様な関わりを探ってみたいと思います。特に最近では、荒れる青少年とか、犯罪の低年齢化・凶悪化などということが言われていますが、本当にそうでしょうか。現実の事件を素材に考えたいと思います。
19歳のときに犯した罪-永山事件
神戸連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇聖斗事件)
少年法について
満18歳未満であること-保護?自己決定?
◎ おわりに-シンポジウム
皆さんの疑問や質問、もっと聞きたいことに3人の担当者が答えます。
評価方法 定期試験の素点に、出席点を加味して成績評価します。
教科書
参考書
メッセージ 心理学の研究者や宗教家、あるいは法律家は、皆さんと同じ世代である青年期をどのようにとらえ、考えているのでしょうか。様々な考え方を知ることで、ぜひ自分を知る手がかりを得てください。