年度 | 2010 |
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科目名 | 異文化コミュニケーション論 |
教員名 | 山脇 千賀子 |
授業概要 | われわれが生活する現代社会においては、さまざまな異なる文化に向かい合わざるをえない状況が出現しています。多くの大衆がこうした事態に巻き込まれることは、歴史的にも例がないことです。それだけに、文化が異なる個人または集団・組織間におけるコミュニケーション上の諸問題に関する研究もはじまったばかりといえるかもしれません。本授業においては、コミュニケーションの前提となる文化―言語を含む記号とその解釈、認知体系、行為体系、社会的文脈など-について、理論的に分析して理解してもらうことを目標としています。同時に、頭の中だけの「理解」にとどまらず、自分自身の「文化」を相対化する「実体験」的エクササイズを活用する予定です。私たちが英語圏として通常思い浮かべる米国や豪州などでも様々な文化的バックグラウンドをもった人々によって成立している社会であることは言うまでもありませんが、こうした多文化環境は英語圏に限らず世界のあらゆるところに存在するのが現代社会です。こうした多文化環境におけるコミュニケーションのあり方について、学生と一緒に考える授業にしたいと思います。また、本授業のテキストについては、知識を吸収するための教科書としてではなく、テキストに表現されている「文化」や「コミュニケーション」概念を批評的に理解する「素材」として扱う予定です。 |
授業計画 | 異文化コミュニケーション論で何を学ぶか コミュニケーション・スタイル分析(1)常識とは コミュニケーション・スタイル分析(2)文化とは 言語とコミュニケーション(1)コンテキスト 言語とコミュニケーション(2)自己開示 言語とコミュニケーション(3)コンフリクト管理 D.I.E.メソッドの活用 アサーティブ・コミュニケーションとは 非言語コミュニケーション(1)表情&身体 非言語コミュニケーション(2)時間&空間 カルチャーショックとは 文化とアイデンティティと価値観 異文化接触とは何か 観光という異文化コミュニケーション テーマパークに人は何を求めるのか 食文化にみる異文化コミュニケーション 音楽にみる異文化コミュニケーション コミュニケーション・スタイルの世代差 障害者からみるコミュニケーション 宗教・自然とコミュニケーション ジェンダーとコミュニケーション 異なる価値観をもつ人とのコミュニケーション 多文化主義の地平:総合的エクササイズ 総まとめ:コミュニケーションという可能性 ※学期授業予定回数と必ず一致するものではありません。 |
評価方法 | 毎回授業で提出してもらうB6版コメント・カード(50%)、期末レポート(30%)、授業への参加度・貢献度(20%)として、総合的に評価する。 |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | この授業は短期留学に参加する皆さんが、より有意義な異文化コミュニケーションができるよう支援することを目的のひとつにしています。短期留学に参加しなくても、将来的に留学することを考えている学生の受講を歓迎します。ただし、この授業は特に学生のみなさんの活発な参加がなければ成り立ちません。本当に授業に出て学びたい、知的刺激にふれたいという意欲のある学生との相互作用のなかでつくっていく授業にしたいと思います。 |