教育課程論

年度 2010
科目名 教育課程論
教員名 松本 浩之
授業概要 教育課程は、生徒たちが望ましい成長発達を遂げるために必要な諸経験を彼らに提供する教育計画であり、教科の学習のみならず、道徳や特別活動をも含んだ学校(教育組織)全体の教育計画である。本講義では、教育課程生成の歴史的起源に遡ることや哲学的な基礎を概観しながら、教育課程の本質にせまる。そして現代社会の維持存続という究極的な課題がつきつけてくる教育課程編成への要請について吟味し、さらに生徒の発達段階への配慮の必要性についても視点を広げたい。そして具体的なカリキュラムの作り方について検討しながら、今後求められていく教育課程編成の方向について展望していくこととする。
授業計画 教育課程の定義【カリキュラムや教育過程との違いは】
教育課程論の基礎(1)【子どもに何を教えるか】
教育課程論の基礎(2)【子どもの何を引き出すか】
教育課程の受ける制約【教育課程はどう変えられてきたか】
教育課程の構成要素(1)【学問の伝統からどう作られるか】
教育課程の構成要素(2)【学習者の特性にどう配慮するか】
教育課程の構成要素(3)【現代社会の課題にどう応えるか】
教育課程の役割【学力形成か人格形成か】
教育課程編成の原理【内部要因と外部要因】
教育課程の古典的類型【教科中心カリキュラムと経験中心カリキュラム】
教育課程への現代的アプローチ【工学的アプローチと羅生門的アプローチ】
小学校の教育課程【小学校学習指導要領の実際】
中学校の教育課程【中学校学習指導要領の実際】
高等学校の教育課程【高等学校学習指導要領の実際】
教育課程の評価【新たな教育課程の編成をめざして】
評価方法 (1)筆記試験 (2)筆記成績に出席率と受講態度を加味して総合的に評価する。
教科書
参考書
メッセージ 学校教育の現場の教員にとって、教育課程とはすでに文部科学省から明示されている学習指導要領によって自明のものでありそれに批判的検討を加えることはタブーであるという風潮が存在することは否定できません。しかしこのような構えでいる限り、一部マスコミの作り出す世論の流れに翻弄され続ける今の教育の危機的状況を打開する道は開かれません。本講義では、「何のための授業なのか」という視点を持ち続けるために教育課程編成の論拠についてしっかり学習した上で、実際の教育実習で役に立つような学習指導要領を基礎にした授業計画・学習指導案の具体的な書き方について扱っていきたいと考えます。