年度 | 2010 |
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科目名 | 資源と国際協力 |
教員名 | 林 薫 |
授業概要 | 本講義では資源と国際協力について学びます。資源というと石油や希少金属のような鉱物資源や水資源を思い浮かべることが多いと思いますが、どんな貴重な資源であっても、地下に眠っているだけでは資源としての価値はありません。人々が発見、採掘、精製・加工、販売することによってはじめて、その有用性が利用可能になり、価値をもつようになるのです。ということは、資源の本質は「人々の働きかけ」です。最近資源を「はたらきかけの対象となる可能性の束」(佐藤仁2008)とする考え方も出てきています。この授業では働きかけることができる人々の能力も含めて資源と考えて、資源概念を拡張しながら、人々の生活をよくするためにはどのような方法が考えられるか、それに対する国際的な協力(介入)はいかにあるべきかなどについて考えます。何かが「ない」と不平をいうことは簡単ですが、不平をいうだけでは発展の可能性は閉ざされてしまいます。むしろ、何かが「ある」ということを発見することが重要です。「働きかけができる能力の涵養」と「働きかける対象を見出すための気づき」の重要性を理解できることをこの授業の達成目標とします。 |
授業計画 | 第1部 資源と開発 資源は人々を幸せにするか? 資源の罠 東ティモールの独立と国際政治 オランダ病 資源をめぐる国際政治 大国の石油戦略 資源に翻弄される国々 産油国の興亡 資源国の開発課題 開発と資源制約 化石燃料依存をどのように脱するか 枯渇する水資源 第2部 資源としての人々の力 東アジアの成長からの教訓 人的資源の重要性 地域資源の維持とコミュニティー 共有資源の管理とコミュニティーの役割 地域資源の発見 「気づき」はどのようにして起こるか 外部者の役割・「風の人」と「土」の人 第3部 援助の新しいパラダイムを目指して 参加型開発とエンパワメント 戦後日本の「生活改善アプローチ」に学ぶ 日常生活からはじまる資源の発見、はたらきかけ、保全 援助を行う場合に留意すべきこと (上記授業計画は実際の学期授業回数・回次とは一致していません) |
評価方法 | レポートおよび試験の平均点で評価します。レポートや試験の実施方法については授業中に指示します。授業への貢献(プラス面=よい質問等、マイナス面=私語等)も考慮します。資源と開発、国際協力に関して、授業の目標とする知識・知見を習得したかどうかを評価の基準とします。一応の基準は以下の通り:資源と開発・国際協力に関して必要な知識・自ら考える能力を習得できた場合AA、能力はまだ努力を有するが知識は習得できた場合A、知識・能力とも多少不足しているが概ね習得できた場合B、一層の努力を要するが今後の発展に期待できる場合C、達成度から見てもう一度履修することが適当と思われる場合D。 |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | この授業の内容は難しいかも知れません。しかし、「資源」の概念を拡張することさえ理解できれば応用範囲が広がります。みなさんは「自分には○○がない、△△もない・・」と「ないないづくし」をしていませんか。この授業のメッセージは「自分には□□がある、××もある」と「あるあるづくし」に転換できるようになることです。これによって自分の可能性が大きく広がります。自分の資源(リソース)に気づき、これを発展させることによって元気になりましょう!」 |