年度 | 2010 |
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科目名 | 現代社会と法律 |
教員名 | 中田 達也 |
授業概要 | 本授業では、優れて現代的な問題を取り上げ、法律が制定される背景、経緯、その後の展望までを提示する。その上で、受講生は私の問題提起に対して、どのように考えるかを問う形式を採る。2009年度の授業では、主に新聞やニュースで取り上げられる最新の問題を取り上げ、受講生とともに考えた。こうした問題には、唯一の解がある訳ではない。そこで、各受講生の考え自体よりもその考えに至る道筋を明確にするよう注意を喚起した。考えるべき問題は、教科書の中にのみある訳ではないので、この授業に関しては、敢えて教科書を使わず毎回レジュメを準備し、それに従って講義する。本年度は、前期が「国際法」、後期が「現代社会と法律」となるので、双方を受講する学生には、(例えば国際法と国内法の関係など)一貫した論理が習得できるような講義にしてゆく。 |
授業計画 | 第1回 教育基本法の改正について。 第2回 民事事件と刑事事件の相違について。 第3回 国歌に対する教員の行為についての事例について。 第4回 法律作成における新たな担い手といわれるNGO・NPOについて。 第5回 代理母(他者のお腹を借りる・祖母が孫を産む)問題について。 第6回 脳死体からの臓器摘出をめぐる法的問題・臓器売買をめぐる法規制の現状。 第7回 中学、高校の履修漏れ問題について。貸金規制法の成立がもたらす効果について。 第8回 自殺対策法について。内部告発法における内部告発と公益の関係について。 第9回 裁判員制度の内容と今後の展望について。法テラスの日本社会における定着の可否について。 第10回 大学非常勤講師の賃金問題について。学納金訴訟について。中国残留孤児訴訟について。 第11回 職務発明への対価をめぐる訴訟について。憲法における三権分立について。 第12回 国定教科書における他国への配慮問題について。宗教の自由は無制限であるかについて。 *残りは、試験対策及び学生からの質疑応答やゲスト・スピーカーのために残しておく。予定変更の場合は、別途トピックを設ける。 |
評価方法 | 昨年は、1,000字限定という難易度の高い試験であったが、学生は一生懸命に取り組んでくれた。また、答案は概ね優れたものであった。受講する人数にもよるが、授業終了後の質疑応答、講師室での質疑応答、そしてメールによるやり取りなど、皆さんの積極度に応じて、私も皆さんの実力向上に努める。評価は、あくまでも1,500字の内容如何によるが、出席点を加点事由として考慮する。誰が読んでも分かりやすく、それでいて一貫した緊張感ある文章。これを作成することで、自らの考え方が整理され、かつ相対化されることを求めたい。その度合いこそが評価そのものとなる。なお、就職活動や教職の学生のために、解説を受けた上での救済措置も用意する。 |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | 本講義は、日本の現状を考えるのに最も好個な教材となると考える。ある問題が日本と国際社会とでどのように取り組みに相違があるのか、それを知るだけでも、視野が拡げられる。すべての事柄は、他の問題と相対化して初めてその位置づけや意義が明確になる。同時に、第三者からの客観化・相対化がその問題に対する捉え方の一つの契機となる。その捉え方と現状とを比較し、そこに自分の見解を与えることで、自分の意見もまた客観化されてくる。2009年度の受講生の多くは、こうした方法論に感動してくれた。2010年度も更なる学生の飛躍を期して努力する。 |