メディアリテラシー

年度 2010
科目名 メディアリテラシー
教員名 酒井 信
授業概要 この授業では、今日、社会的に強い影響力を有している映像メディアや漫画を含めた活字メディアの歴史について、明治期~昭和50年代を中心に、各時代の社会背景を踏まえながら講じていく。これにより現代において私たちが当たり前のものとして接している視聴覚メディアが形成されるに至った歴史について理解を深め、近代史の広い視野の下で「Media Literacy(メディアを読み解く能力)」を身につけてもらう。レポートでは授業で取り上げる作品について論じるだけではなく、その背景にある明治期~昭和50年代の歴史についての考察が求められる。
授業計画 授業全体の概要、課題、成績の評価方法など(ガイダンス)
日本の出版文化の歴史の概要と江戸鳥羽絵。現代の雑誌・出版の現状。
日本の新聞と風刺画の歴史。現代の新聞・通信の現状。
動画の原理 ~W・ネケス『フィルムビフォアフィルム』を使用。
大正・昭和戦前期のメディア史 ~新聞、ラジオの歴史。講談社の子供マンガと中村書店の子供マンガ。
ハリウッドの誕生とディズニー作品。戦前期のアメリカの映画の国際的な影響とビジネスモデル、戦争と映画の関係について。
昭和20年代の絵物語と赤本漫画、漫画雑誌を中心としたサブカルチャーについて。ふろく文化と少年向けマンガ 。手塚治虫のストーリーマンガと虫プロのアニメ
近代日本と映画。映画脚本家・笠原和夫の映画を通して、近代日本の歴史と、戦後日本の映画がメディアとして果たしてきた役割について考える
歴史とアーカイブ/アラン・レネ「夜と霧」。V.E.フランクル『夜と霧―ドイツ強制収容所の体験記録』。ドキュメンタリー作品の意味について。
昭和30年代~昭和40年代のサブカルチャーについて。劇画と少女漫画を中心に、社会背景を踏まえながら理解する。いかにして戦後の少年・少女文化が成立したか。
日本のテレビの歴史と現状。特に昭和40年代のテレビアニメについて、その社会背景から分析。
アートフィルムを中心にした世界の短編映画の比較。また世界のメディアが報じた日本のマンガ・アニメについての記事の比較分析。
広告の歴史と現状。世界のCMについて、その文化的な背景から比較分析を行う。
授業全体のまとめ
評価方法 授業中の小演習の提出を含めた出席点を40%、提出された各課題の出来を60%の割合で評価する。中間レポート4000字以上。期末レポート8000字以上。成績評価の基準は、AA(100点~90点)、A(89点~80点)、B(79点~70点)、C(69点~60点)、D(59点以下)とし、合格は、AA、A、B、Cとする。
教科書
参考書
メッセージ メディアは人々と情報を媒介するだけではなく、分断する可能性も有しています。この授業を通して、現在当たり前のものとして流通している映像メディアや漫画を含めた活字メディアについて、明治期~昭和50年代のメディア史・社会史を踏まえながら理解してください。特にメディア史において、どのような「媒介と分断の歴史」があったのか、理解を深めてください。