年度 | 2010 |
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科目名 | リスク社会と環境問題 |
教員名 | 藤井 美文 |
授業概要 | 『リスク社会と環境問題』では、広く、生産や消費、あるいは公的な活動によって生じる人為的なリスクをめぐる社会の管理のありかたを考える。従来政府を中心に管理されてきた人的リスクも、複雑さを増す現代社会においては地球温暖化、BSE(狂牛病)、迷惑施設(焼却炉建設や埋立地建設)の立地問題に見られるように、行政の管理能力を超えたり、科学技術(者)のみでは解決できなかったり、さらには社会構成員の合意形成が主要な問題解決のテーマであったりするケースが増大してきている。本授業では、汚染あるいは危険物質によって、あるいは消費者行動自体によって影響を受ける環境、などの環境情報の存在を理解するとともに、専門的知識を要する環境リスクの管理のあり方を意思決定問題として学ぶ。 |
授業計画 | 1. 授業のねらいと授業計画 2-3 環境問題の変遷と解決方法の変容 (1)(2) 工場公害から温暖化まで 4-6 環境問題の解決に求められる意思決定のありかた (1)(2)(3) 「参加と情報公開」という民主主義制度 7-8 環境アセスメントとその背景 9-10 アセスメント以降の複雑な環境問題の出現 11-12 近代をどう見るか 『リスク社会』という見方 13-14 『公共圏』という考え方 15-16 コモンズの管理のありかた 17-19 近年の民主主義制度の進化と環境ガバナンス 20-24 具体事例をもとにした学生のプレゼンテーション BSE、原子力立地、廃棄物問題施設とリサイクル、携帯電話、上水の質などの個別問題を事例にした意思決定のあり方に関する発表と討議 |
評価方法 | 出席回数、発表、試験などの結果で総合的に判断する。 |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | 現代の環境問題の解決には、従来の行政による規制的措置を中心とした政策の有効性を薄め、新たな仕組みを求めている。本授業では、環境問題に対する市民参加と情報公開の新しい仕組みのあり方を考える機会としたい。意欲にあふれた学生の授業への「参加」を期待する。 |