年度 | 2010 |
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科目名 | 文章演習C |
教員名 | 川村 二郎 |
授業概要 | 文章は、料理と似ている。料理の命がネタであるように、文章もまたネタ、題材が命である。どう書くかではなく、何を書くか。How to write.ではなく、What to write.肝に銘ずべきはこのことである。料理も文章もネタがよくなければ、目先はごまかせても、客や読者を納得させ、満足させることはできない。自分にしか書けないことを具体的に平易に書けばよい。しかしそれがなかなか難しい。どうすればもっと相手に伝わる文章が書けるのか豊富な経験と添削の実例を通してその極意を熱く伝授する。料理に包丁が欠かせないように、文章を書くときになくてはならないのが辞書である。言葉の意味や使い方で、少しでも疑問に思ったときは、辞書を見ること。辞典は大きいもののほうが良い。毎授業、国語辞典を持参してください、電子辞書は不可です。 |
授業計画 | オリエンテーション まずはよく観察すること 説明よりも描写をすること 蘊蓄よりもエピソード 書き出しは普通が一番 本気と懸命が心つかむ 立派なふりをしないこと 結びはさらりがいい さっさと本題に入る ご馳走はまとめて出す 文章も体も贅肉はない方がいい 「です、ます」は難しい 前置きや理屈はいらない 実例、実例、何ならもう一つ実例 |
評価方法 | 毎回の出席を基本として、授業中の議論や演習、宿題、期末の課題レポート(800文字)で総合的に評価する。 |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | 教科書で使う「炎の作文塾」は、朝日新聞社から「大学生から作文を公募して添削する欄を作ります。担当してもらえませんか」と言われ引き受けた。理由は簡単だ。僕は朝日新聞社の記者になり、週刊朝日にも在籍したおかげで、言葉について、文章について、多くのことを学ぶことができた。僕にとっては、大きな財産になっている。この財産は、僕だけのものにしておくのは、いかにももったいない。できるだけ多くの人の共有財産にしてもらいたい。そう考えて三年間、夕刊に連載し、一冊にまとめた。広報学科の学生に「炎の文章演習塾」を開くのを楽しみにしている。ただし、厳しい授業になるので意欲のある学生に受講してもらいたい。よろしく。 |