数学科教育法 I

年度 2010
科目名 数学科教育法 I
教員名 牧下 英世
授業概要 数学の授業観を中心に日本の数学教育の現状を把握する。また,数学授業形態,数学単元,数学素材のあり方を考える。
授業計画 ガイダンス:生徒の数学の学びと教師の数学の指導という学校数学の必然性を強調しながら授業目標,授業方針と授業形態を説明するとともに,共通な理解を目指す。
講義:中学校・高等学校における数学授業形態の現状を捉える。―自分が体験した中学・高校数学の授業についてまとめ発表する―
講義と討論:学校数学のあり方を考える。前回のレポートを中心に数学単元,数学の授業方法や数学観の現状を明らかにし,問題点をまとめ,そのあり方を考える。
講義と演習:数学を教えることの必然性を考える。「一次関数」(中学校2年次)について,その指導の必要性を考える。各自,「一次関数」を使った事例を用意する。
講義と演習:数学を教えることの必然性を考える。「指数関数・対数関数」(高校2年次)について,その指導の必要性を考える。各自,「指数関数・対数関数」に関連のある身の回りの事例を用意する。
講義と演習:授業づくりの実際を考察する(1)「数と式―実数」(高校1年次)―数の認識を深める―
講義と演習:授業づくりの実際を考察する(2)「数量関係領域 一次関数」 (中学校2年次)―導入素材に目を向けて―
講義と演習:授業づくりの実際を考察する(3)「一次不等式」(高校1年次)―授業素材を探す―
講義と演習:中学校・高校の幾何指導について―無定義用語,公理,定義と定理。線分,角,垂直・平行,三角形,凹凸四角形,平行四辺形など,幾何用語について調べる。小・中・高校の図形指導の流れをつかむ(学習指導要領から)。図形指導の歴史を調べる。
前回の続き及び発表
講義と演習:授業づくりの実際について:「図形領域・基本的な作図」(中学校1年次) 三角定規,コンパス,分度器を用意すること。
講義と演習:学習指導案の作成を試みる。
教材研究論:2次関数と2次方程式の構造について教材研究を展開する。
教材研究レポート
定期考査
評価方法 課題図書の読後考察と感想 15%,担当テーマの発表 25%,課題レポート 25%,定期考査 35%
教科書
参考書
メッセージ 「好きこそものの上手なれ」という諺がある。教職,数学科を目指す者は,数学が好きであることが必要だと思う。特に,ものごとを数学的に考えることを好きでないと数学の教師は務まらない。好きである以上に,「数学ができること」が要求される。これからの数学教育では,生徒に対して事象を数学的活動を通していかに指導していくのかが重要なポイントになっていく。そのためには,数学問題演習,授業研究,教材研究だけでなく,現場の生きた授業を参考にしながら,自らの数学教育観を確立することが重要になる。そのためにも,本講座では講義だけでなく現役教師の算数・数学教育研究会や講演に積極的に出かけていくことを予定している。主体的かつ積極的に参加して欲しい。