年度 | 2010 |
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科目名 | 文献講読 |
教員名 | 岡野 雅雄 |
授業概要 | 言語には、「情報伝達的な働き」と「対人関係的な働き」の両面があり、どちらも重要ですが、この科目では、後者の「言語の対人関係的な働き」に焦点をあてたテキストを読んでゆきます。テキストは、岡本真一郎編『ことばのコミュニケーション—-対人関係のレトリック』です。この本の特徴は、親密さ・ていねいさの表現、依頼表現、ユーモア、皮肉など、対人関係にかかわるさまざまな言語表現について、言語学と心理学による調査・実験を踏まえて実証的に分析・考察していることです。 |
授業計画 | テキスト(第1章~第4章)を分担し、内容について口頭発表する形で進めてゆきます。 (以下は購読する本の章立てであり、学期授業予定日・回数と一致するものではありません。) ■第1章 対人関係の描写 (第1節 対人関係と述語; 第2節 対人関係のメタファー) ■第2章 対人関係の構築 (第1節 ポライトネス理論と初対面会話 ; 第2節 親しさを伝える ; 第3節 親密化過程と会話 ; 第4節 電子コミュニケーションのポライトネス・インポライトネス) ■第3章 対人関係の諸方略 (第1節 依頼・要求にみる意図の伝達 ; 第2節 ユーモア ; 第3節 ほめことばと応答) ■第4章 対人関係の裏と表 (第1節 皮肉:何をどのように伝えているのか ; 第2節 うそ ; 第3節 罵りとその周辺の言語行動 ; 第4節 対人関係の宥和とことば) |
評価方法 | (1) 担当箇所の発表、(2)他のメンバーの発表に対する質疑応答および平常の課題、(3)出席によります。成績に対するウェイトは、(1)が70%, (2)+(3)が30%とします。 |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | この本の購読を通じて、言語表現についての考えを深めることができると思います。ただし、ここで読む文献は、「国語」というよりは、「言語の心理学」といったほうがよいジャンルを扱っていますので、ご注意ください。 |