年度 | 2010 |
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科目名 | 情報システムと産業 |
教員名 | 関 哲朗 |
授業概要 | 情報システムが産業で利用されるようになったのは,ほんの50年前のことです.これに「広く」とか「本格的に」という言葉をつけるとせいぜい30年程度の歴史しかありません.一方で,現代社会,産業における情報システムの役割は非常に高度なものであり,また,非常に責任の重いものとなっています.この短い期間にITや情報サービスに関わる産業は多くの努力と範囲の拡大を経て,今日の状態を作り上げています.この授業では,情報システムやソフトウエアのビジネス・産業への応用場面という意味での「情報システムと産業」,そして応用場面を支える活動としての産業という意味での「情報システムと産業」,すなわち「使う」「作る」という表裏の関係にある「産業」と情報システムとの関連を講義してくことで,今日の情報システム産業の課題を追求していきます.この授業は,HIPLUSによるe-lerningを使用します.必要に応じて,対面授業を行う場合があります.対面授業を行う場合は,教育支援課を通して予め連絡します.質問がある場合にはいつでも受け付けます.本シラバスに記載のメールアドレスまで質問を送るか,担当教員の研究室を訪問してください.HIPLUSにも質問できる機能がありますが,ここに質問しても担当教員には転送されてきません.本シラバス掲載のアドレスを使用するようにして下さい. |
授業計画 | ガイダンス この授業の学習の目的,目標及び単位取得の要件について説明をします. 以下の学習順序,内容は,学習上の配慮から変更になる場合があります. HIPLUSにより提供されるe-lerning教材に従って,学習を進めて下さい. 現代のビジネスで利用される情報システムとソフトウエア ―具体的な事例を通して情報システムと産業の関連を探る― ハードウエア開発史にみるコンピュータのビジネス利用(1) ―「シュメール人のそろばん」から「バベジの階差機関」まで― ハードウエア開発史にみるコンピュータのビジネス利用(2) ―「ENIAC」の開発に始まるコンピュータの高度化― ソフトウエア開発が難しい理由と情報システム開発が難しい理由 ―ソフトウエア危機からユビキタス社会・高度情報社会の到来に至る困難の変遷― ソフトウエア工学の役割 ―早く,安く,上手く作ることの追求― 情報システム設計・製造技術の高度化 ―動かないコンピュータから動かさないと社会問題になるコンピュータへ― 新興勢力の出現とオフショア開発 ―コスト問題と設計品質・製造品質との攻防― 先進工業国の情報サービス産業 ―日・米・欧の情報サービス産業の概観― 中国・インドに始まるオフショア開発 ―低コストと開発異文化との戦い― アジア新興勢力によるオフショア開発 ―タイ・ベトナム・フィリピン・ミャンマーの出現― 進行するオフショア開発と日本企業の課題 ―世界との分業を阻む日本式仕事術― 現代日本の情報システム開発方式と調達方式 ―プロジェクトマネジメント,工事進行基準,分離・分割方式― 情報システム開発がビジネス・産業の「屋台骨」であり続けるために ―この講義のまとめと情報システム開発の未来― 期末テスト e-lerningを使って,オンライン・テストを実施します. |
評価方法 | 各回は「前半」「後半」及び「確認テスト」の3部で構成されています.期末テストを除くと,14回の講義が提供されますので,最低でも2/3の講義を受講し,それぞれの回の「確認テスト」に合格する必要があります.「確認テスト」の合格ラインはそれぞれ,70%以上の正答を要するものとします.合格ラインを超えた回数が14回の2/3に満たない場合には学習が十分行われなかったものとして,成績の評価は「F」になります.また,「期末テスト」を受験しなかった場合の評価は,学習状況により「EまたはF」,受験した場合には,学習状況と期末試験の結果により「AA,A, B,C,D」のいずれかの評価を付与します.必要に応じて対面授業を実施した場合には,対面授業への出席状況も評価に反映します.なお、2009年度に情報学部で実施した海外(ベトナム)研修に参加した学生は、本講義の一部または全部の受講を免除するか、別の課題を課すことで成績を付与する場合がありますので、担当教員に申し出て下さい。 |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | 情報システムは現代社会に欠かせないものとなりました.この講義を通して,どのように情報システムが社会の基盤(インフラ)となり,そして,どのようにして作られてきたのかを学んで下さい.情報システムは,これまから社会の重要な基盤であり続けることでしょう.そして,社会基盤としての重要な使命を果たすためには,どのような世界連携が必要なのか,どのような発展のための自助努力が必要なのかを一緒に考えていきましょう. |