文献講読

年度 2010
科目名 文献講読
教員名 田畑 則重
授業概要 いま出版の世界は、グーテンベルクが15世紀に活版印刷を普及させて以来の大変革期を迎えている。加えて、日本の出版産業は10年以上にわたってマイナス成長を続けている。出版業がこのまま衰退を続けるのか、それともデジタル化やクロスメディア展開によって蘇生していくのだろうか。将来を論ずるためには歴史を知る必要がある。テキストの『ベストセラーの風景』は、日本の近代から現代に至るベストセラーを素材にし、その誕生物語だけではなく、それらの本を鏡として時代背景を的確に描いている。テキストを手掛かりにしながら、各自がテキストに描かれていない時代背景を考察する、あるいはベストセラーの条件を摘出して、今後の出版を考えることを主眼としたい。授業を受けるだけの姿勢では駄目で、読む・調べる・考える・発表する授業としたい。将来、出版界での仕事を志す人、とにかく本好きな人に受講して欲しい。
授業計画 ベストセラーで読み解く戦後/二極化する出版界のいま
話題の当たり本の周辺1
話題の当たり本の周辺2
文学賞の周辺
文芸出版社老舗の周辺
古典の周辺1
古典の周辺2
愛と涙の周辺
タブーと異端の周辺1
タブーと異端の周辺2
経済ものの周辺
ミステリーの周辺
時の流れの周辺1
時の流れの周辺2
辞書と学習本の周辺
*学期授業回数と必ず一致するものではありません。
評価方法 毎週の事前準備と発表、理解の度合いを50%、期末レポートを50%の割合で評価する。
教科書
参考書
メッセージ 初回の授業時に担当したい章の希望を聞くので、テキストにざっと目を通してきて欲しい。担当が決まったら、その中でも関心あるテーマを深堀りして発表に臨んで欲しい。深く掘り下げることでテキストの流れが途切れても、担当教員がつなぎ、出版を通して近現代史を通観する試みにもしたい。