年度 | 2010 |
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科目名 | コーポレート・コミュニケーション論 |
教員名 | 横内 清光 |
授業概要 | 会社と君たち自身の関係を考える講座だと思ってください。私たちは、なんらかのカタチで会社と一生つきあっていく。だとすれば、会社とは一体何なのだという素朴な疑問から主発してみたい。まして、世界経済が情報化、グローバル化、金融化している状況で、これから私たちのサラリーマンライフはどうなるのだろうという不安に答えをだすためにも、コーポレート・コミュニケーションは是非学んでおいたほうがいい。今は、従来の「広報論」の枠を越えた「会社論」「自立論」が必要だと思われる。 |
授業計画 | コーポレート・コミュニケーションとは? 企業広告との違いはどこに。 最新の新聞広告例から、企業からのメッセージを読み解く。 「エコ」が目立つのは、なぜ? ステークホルダーという考え方を学ぶ。 企業を取り巻く利害関係者はたくさんいる。 誰にメッセージをとどけるか? 企業側から見たコーポレート・コミュニケーション。その1. 主要ステークホルダーが変わってきた。 株主なのか? 従業員・経営者なのか? 生き延びることが会社の目的である。 では、誰のための会社か? コーポレート・ガバナンス理論からのアプローチ。 資本主義の原点に帰って会社を考えてみる。日本型経営とアメリカ型経営の違い。 優秀な企業とはどんな会社だろう? 生き延びることが会社の目的ならば、利益を追求することはどのような位置づけになるのか? ここで、日本の優秀企業例を研究してみる。 会社はどこへ行くのか? ものづくりへ戻るのか? 金融経済の行き過ぎ是正が会社の経営にどのような影響を与えるのか? 前半部分の授業の総括編。(※2回の講義にわたることあり) 改めて、会社とステークホルダーとのコミュニケーションのあり方を考える。 一人一人が従業員であり、消費者であり、地球市民であり、時には株主であったりする状況分析。 コーポレート・コミュニケーションの「5つの位相」を考える。 第1にマーケティング・コミュニケーション。 マーケティングとはなにか? 第2の位相、マーネージリアル・コミュニケーションを考える。 つい最近までは、ここでI Rを中心に考えてきたのであるが、次なる経営課題はなにか? 第3の位相、インナー・コミュニケーションを考える。 企業アイデンティティの危機に際して、経営者と従業員の関係は?、雇用の多様化の影響は? 第4の位相、ソシアル・コミュニケーションを考える。 地球環境問題は、企業が生き延びるための緊急課題になってきた。 いまなぜエコなのか? 第5の位相、シンタックス(統合分野)を考える。 企業の統合的ブランド価値について。企業イメージとはなにか? 換算できる価値なのか? 企業の社会責任(CSR)を考える。新経済主義が崩壊した後の社会的責任論をさぐる。 社会的責任を果たすことは、実利があるのか?それとも啓蒙的自己利益にすぎないのか? 前回の続編で、社会責任投資(CSI)の有効性を考える。 最近の研究では、CSIは実利が伴うことが解ってきている。新しい投資価値からの研究を見る。 コーポレート・コミュニケーションの未来について。 長続きする企業生命を、ブランド価値の視点から総括する。 |
評価方法 | 試験は論述式。基本的な理論を踏まえた、応用問題を出題する。出席点は10%の枠内。 |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | 2008年秋のアメリカ発の世界不況。「新自由主義」といわれる経済体制が破綻した。株主資本主義の優勢な理論に支えられたコーポレート・コミュニケーション理論はどう変わるのか? いま、世界中で「会社」が混沌状況に陥っている。会社とはいったい何者なのか? 資本主義はどこに行くのか? こんなことを考えながら、この講座を受講して欲しい。 (※授業は、毎朝、新聞を読むことから始まっていると思ってください。) |