芸術文化論

年度 2010
科目名 芸術文化論
教員名 高師 昭南
授業概要 生物物理学的視点からみるリズムの問題を通して,芸術の世界と日常の世界がどう連続しどう違っているかを見る。日常と非日常そして超日常,没入と展望,フラクタル的ゆらぎ,動的協力性,拍子とリズムの違い,分割と分節の違い,被担性,受動的能動性,前駆性,中心と周縁,響存構造の生成といった概念を踏まえつつ,具体例を通してテ-マに迫りたい。
授業計画 没入と展望 I ~日常の行動=習慣的身体と芸術~
没入と展望 II ~ピナ・パウシュ『カフェ・ミュラー』を通して。何を表現しているのか,わからない?~
没入と展望 III ~能『砧』を通して。没入と展望の仕掛け~
没入と展望 IV ~生の根底としてのふれあう。その絵は何故生気がないのか~
没入と展望 V ~ロシアの映像詩人ノルシュティン『外套』を通して。観察するとは~
没入と展望 VI~土門拳『筑豊の子どもたち』を通して。奥にあるものを目に見えるディテ-ルの把握においてとらえる~
没入と展望 VII~無名塾公演『令嬢ジュリ』(ストリンドベリ原作)を通して。疎外とリアリズム。演技~
没入と展望 VIII~歌舞伎『白波五人男』浜松屋店先の場を通して。型と性根~
没入と展望 IX~映画『理由なき反抗』におけるジェイムズ・ディ-ンの演技~
危ういバランスと予感の情動性– 大道芸をめぐって–
カオスを内在する秩序 I ~ボッテチェリ『プリマベ-ラ』におけるヘルメスをめぐって~
カオスを内在する秩序 II ~エドワール・マネ『フォリ-・ベルジュ-ルの酒場』をめぐって~
カオスを内在する秩序 III ~ジョルジュ・ルオ-の作品をめぐって。届いてくる光~
カオスを内在する秩序 IV ~VTR『美を語る』を通して~
カオスを内在する秩序 V フェルメ-ル
カオスを内在する秩序 VIポップ・ア-ト
カオスを内在する秩序 VII~プリゴジン「生命を操るカオス」を通して。動的協力性~
カオスを内在する秩序 VIII~リズムあるいはカオスモス。演技的行動。共振=同調と引き込み現象~
『ロミオとジュリエット』 I 『ロミオとジュリエット』 II
鑑賞 I ~舞踊『ボレロ』3作品を通して。拍子とリズム~
鑑賞 II ~舞踊『血の婚礼』(ガルシア・ロルカ原作。アントニオ・ガデス振付け)を通して。リズムとタメ~
鑑賞 III ~舞踊『白鳥の湖』を通して。リズムと成就~
鑑賞 IV ~舞踊『マノン』(ケニス・マクミラン振付け)を通して。リズムとタメ~
鑑賞 V ~浪曲『藤十郎の恋』(春野百合子)を通して。序破急というリズム~
鑑賞 VI~オペラ『死の都』(コルンゴルド作)を通して。リアリズムとしての幻想~
鑑賞 VII~落語『源平盛衰記』(林家三平),『狸賽』(柳屋小さん)を通して。場のリズム~
鑑賞 VIII~漫才『僕は幽霊』(中田ダイマル・ラケット),『出逢いと別れ』(やすし・きよし)~
鑑賞 IX~ソポクレス『オイディプス王』を通して。中心と周縁の反転性~
芸術とは何か
評価方法 小レポート(4本)と出席点によって評価。
教科書
参考書
メッセージ 制作としての学習姿勢―作りつつ学ぶ姿勢を習得していただきたい。レポ-ト作成及び参照プリントは,その趣旨に従ったものである。