食品の消費と流通

年度 2010
科目名 食品の消費と流通
教員名 安倍 澄子
授業概要 本授業では、わが国の食料消費や食生活の変化と食品の流通体系についての現状を理解するための基礎的な知識を習得すること、また学習を通じて、食生活と食品産業の健全な発展に役立つフードスペシャリストとしての経済・経営面での基礎知識を習得することを目標とします。
授業計画 1.フードシステムに関する概要と本講義ガイダンス
フードシステムの概念と、本授業の全体の流れが分かる
2.食生活の変化
(1)食生活形態の変化
食生活とその変化としての、内食から外食そして中食へと、その主要形態を変えてきた食の外部化の現状とそれをもたらした要因について理解する
(2)食品消費の変化
主要食品の消費変化を品目や栄養素摂取の変化から学び、変化をもたらした経済的要因について理解する
3.フードマーケティングと食品流通
(1)食生活多様化の諸相
現代食生活の諸相について学び、多様化をもたらす社会的要因について理解する
(2)食生活とフードマーケティング
フードビジネスとフードマーケティングについて理解する
(3)卸売流通について
生鮮食品の中間流通を担う卸売市場について、その組織、仕組み、機能について理解する
(4)食品卸売業
食品卸売業の機能と役割その日本的特徴や食品メーカーの流通政策について理解する
(5)小売流通
食料品の小売流通としての多様な形態について理解する。専門小売店、スーパーマーケットなどについて、それぞれの特性についても理解する
4.食品市場と食品流通
(1)家庭内食と食品小売業
小売業として、スーパーマーケットが台頭してきた背景と、店舗物流システムなどを理解する
(2)外食と外食産業
外食産業の発展の現状を知り、食材調達などのチェーンレストランの多様化と外食「商品」の構成要素について理解する
(3)中食と中食産業
「中食」誕生の背景、「中食」市場と「中食」商品の特徴を理解する。
(4)中食とコンビニエンスストアー
コンビニエンスストアーのビジネスモデル、中食商品の供給システム、チームマーチャンダイジングについて理解する
5.新しい食品消費の課題
(1)食品消費と環境問題
フード関連産業と環境問題について学び、飽食時代の物流システムについて理解する
(2)食品消費と安全
食品の安全に関する諸法律やその制度の概要を学び、食の安全に関する取組みについて理解する
評価方法 定期試験の結果、出席と授業中の態度をもとに評価を行います。定期試験の採点結果から80%の評価を行い、出席と授業中の態度などの平常点も20%評価に加えます。
教科書
参考書
メッセージ 今日、食をめぐる社会システムは複雑怪奇で食料の生産から消費までの全体の流れが見えにくくなっています。この食料生産から消費までの過程に加工・流通・外食産業が介在しフードシステムという流れを築いています。消費者の食の安全を確保していくにはこのフードシステムの実態やその機能について学習していくことが必須となっています。本授業でこれらのことを学びながら今後の食をめぐる社会システムのあり方について共に考えていきましょう。