マーケティング・コミュニケーション論

年度 2010
科目名 マーケティング・コミュニケーション論
教員名 横内 清光
授業概要 マーケティング・コミュニケーションとは、広い意味では広告の表現活動全般を意味する。しかし本講座では、主として「商品広告」の分野、その中でも「ブランド理論」に特定したい。最新の広告活動は、マーケティングとコミュニケーションの両分野の理論変革ともに、I T 革命の影響下にあり、商品戦略・情報戦略・販売戦略が統合化された、グローバルでスピーディーな展開が要求されている。本講はこれからの企業経営を左右すると云われる「ブランド戦略」を学ぶことで、企業のマーケティング傾向を探る。教科書には定評ある「ブランドー価値の創造ー」=石井淳蔵著を選び、平明で分かりやすいマーケティング・コミュニケーションの講座としたい。
授業計画 マーケティングの革命=IMC(ブランドが重要になった理由)
いまなぜ、日本企業でも「ブランド」が注目されているのか。ブランド理論の導入を行う。
広告活動の変容=4Pから4Cへ(商品設計からコミュニケーション活動まで)
「クルマは造るより売る方が難しい」と言った社長がいた。消費者側からの発想が大切な時代。
関係づくりの市場活動(生活者を巻き込んで行く技術)
顧客とどんな関係を結ぶか。強いブランドには「伝導師」がいる。
ブランド・ビルディングの要請(ブランドとは何か)
グリコ「ポッキー」の開発歴史を学ぶ。名前=ブランドこそ、その商品の将来を決める。
ブランド・コミュニケーション(ブランドを創る側の熱意)
イッセイ三宅のブランドづくりから、モード(流行)と商品の関係を探る。
広告表現とブランドイメージの関係(ブランド価値を高めるコミュニケーション活動)
コカコーラの珍事件。みんなが「この味がいい」と言ったのに、変えることができなかった。
ブランドの4タイプ。(名前の付け方には法則性がある)
技術軸と使用機能軸で位置づけた4タイプのブランド。そこから戦略・組織も見えてくる。
ブランド・アイデンティティの理論(なにがアイデンティティになるのか)
ブランド・アイデンティティの三角形理論から見た、「そのブランドらしさ」。
企業戦略としてのブランド資産(ブランド・エクイティという考え方)
例えば松下電気産業は「パナソニック」と社名を変えた。どうして? これは損なのか得なのか。
価値を作り出すイメージ戦略(広告以外のブランド戦略)
Webによって、ブランド戦略はどう変わってくるのか。口コミの力は効果が高い。
ブランドのメッセージ効果(最近の広告事例から)
トヨタの「レクサス」キャンペーン。アメリカの事例、日本での事例。その違いは?
コーポレート・コミュニケーションへの展開(複数ブランドから企業ブランドへ)
最近のケースから、コーポレート・ブランドを重要視し始めた理由を探る。
ブランド・イメージの危うさ(鮮度管理とブランドの永続性)
定番とレア。長生きすさせるためのブランド強化戦略。ブランドは永遠です。
切れ目のない顧客との関係づくり。社内組織はどのように対応すればいいのか。
ブランド。マーケティング対応の組織とは?
ブランド広告と販売促進型広告の相克について。
売上確保をしながらブランドを育てていくことに矛盾はないのか?ブランド価値とは結局なんなのか?
評価方法 記述式の期末試験で学習内容と思考力を評価する。出席点は10%の範囲内で総合評価に加算。
教科書
参考書
メッセージ みなさんが興味を持つ「ブランド」とは、いったい何者なのでしょう。ブランドが価値を持つ不思議。マーケティングとブランドとの関係を解明することで、これからのマーケティング・コミュニケーションの本質が見えてきます。「コーポレート・コミュニケーション論」も併せて受講することを勧めます。