広告表現論

年度 2010
科目名 広告表現論
教員名 横内 清光
授業概要 横内の広告関係講座の最終コースと考えてください。いきなりこの講座をとっても理解できません。広告関係の講座の他に、記号論、社会心理学、社会学、経済学、マーケティング等の講座を履修していることが要求されます。広告情報がどのように生産されどのように伝えられるか。広告情報生成のメカニズムの解明が主題です。なぜタレント広告が成立するのか? CMはなぜ何回も同じものを繰り返すのか? 広告の説得技術とは? こんな基本的で重要な疑問に答えていきます。この講座の通奏低音部のテーマは「広告のリアル感」です。
授業計画 導入部:評判のCMを考える。果たしてその広告は効いているのか?
例)ソフトバンクの白い犬のお父さんCM。そんなのアリ~?
CMにおけるリアル感について。CG技術多用時代の広告表現は、、、、。
嘘っぽい、しらける広告。虚構だけどリアル感がある広告。その違いは?
広告の説得力について。「見てくれない」の前提が、意表をつく表現を生みだす。
映像による説得はほぼヤラセか? 論理による説得、感性による説得。
マーケティング土壌の変化がCM表現を変える。
選択消費の時代の広告表現について。大多数が満足する表現は生まれなくなったのか?
広告表現の核心は「心を騒がせること」。モノが売れることとは別次元の話し。
で、広告のコミュニケーションとはなんだろう?
一般的コミュニケーション理論と、広告のコミュニケーション理論。
コンセプトの設定。トーン&マナーの開発。広告表現のメカニズム解明へ。
広告表現のアイデア集から。表現を広告にする技術。
何をどのように表現するか? 機能性アートとしての役割を忘れては広告にならない。
広告の説得技術について。 どこまで影響をもたらしたら広告として成功なのか?
広告効果の段階的浸透。古くて新しいAIDMAの法則を検証する。
広告情報を送り出す側からの説得要因の分析。
説得の理論。C.I.ホブランドの古典的な研究から。伝え手の信憑性が基本、となると,,,,,,,,。
広告の目的はなんだろう? という根本問題を問う。
販売促進のため? ブランド強化のため? で、表現はどのように決めるの?
インターネット広告の登場。 受け取る広告だけでない。摂りに行く広告へ。
AISASの法則の誕生は、広告情報伝達をどのように変えたか?
広告コミュニケーション・スタイルの通時的変遷を考える。
交話的コミュニケーションが現代の広告表現の特質か? タレント広告全盛との関係。
モードの理論から、広告表現の流行廃りを考える。
広告表現を進化せせる第2のエンジン=モードについて。メタ言語的表現への必然性。
広告情報の選択的消費へ。マス広告はマスの存在を否定するのか?
テレビ、新聞広告の変化について。ネット広告の薄気味悪さについて。
再び、「リアル感のある広告について」
生活者の感覚変化につれて、広告表現はどこへ向かうのか? 未来の表現方向を探る。
20世紀のCMを観る。通時的なCM観察。例)「資生堂のCM」
最後に、時代の変化を広告表現を通じて「リアル感」を感じ取る。
評価方法 試験は記述式です。基本的な知識を修得した後、応用問題に答えてもらいます。出席点は10%以内の評価です。きちんと出席していないと、講義内容がよく理解できないので要注意。
教科書
参考書
メッセージ 広告に真剣に取り組んでみたい人向きの講座です。広告表現は思いつきでは成立しません。プロはどんな発想で広告をクリエイトするのか、どんな理論を学ぶべきか? こんな視点で展開する理論講座。専門家を目指す人にとってほしい講座です。だから、手軽に単位を取りに来る人向きではありません。