年度 | 2010 |
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科目名 | 文章演習E |
教員名 | 酒井 信 |
授業概要 | この授業では、現在、世界最大の都市圏といわれる「東京圏」が育んできた都市文化について考察しながら、「作品」として批評文を仕上げるトレーニングを行っていく。このために以下のような実践的な課題に取り組んでもらう。課題1、2では狐著『水曜日は狐の書評』を参考にして、プロの書評家の文章を参考にしながら、最新の芥川賞・直木賞の受賞作品の書評を行う。課題3では現代美術の展覧会に行き、小林秀雄の「美を求める心」を参考にして、一つの作品について批評する。課題4では映画『いのちの食べ方』と開高健著『最後の晩餐』を参考に、現代における都市生活と食生活の関係について、考えたことをまとめる。課題5ではレイモンド・チャンドラー著(村上春樹訳)『ロング・グッドバイ』とロバートアルトマン監督「The Long Goodbye」を比較しながら、「友達」とは何か考えたことを批評文(3000~4000字)にまとめる。 |
授業計画 | 授業全体の概要と課題文章の説明、成績の評価方法など(ガイダンス) 書評の書き方と批評の基本1(狐著『水曜日は狐の書評』を使用) 課題1「最新の直木賞作品の小説の書評を1200字で作成する」の説明と実習 優秀文を基にした課題1の講評と書評の書き方のまとめ 小林秀雄「美を求める心」を使用して、批評文の書き方と実習 課題2「現代美術の展覧会に行き、小林秀雄の『美を求める心』を参考にして、一つの作品について批評する」の概説と実習 優秀文を基にした課題3の講評と、美術批評の書き方の説明 ドキュメンタリー映画『いのちの食べ方』を見ながら、映画のメモと内容の要約の作成 課題3「映画『いのちの食べ方』と開高健著『最後の晩餐』を参考に、現代における都市生活と食生活の関係について、考えたことをまとめる」の説明と実習 優秀文を基にした課題3の講評と、映像作品の批評とルポルタージュ文の書き方の説明 最終課題「『ロング・グッドバイ』とロバートアルトマン監督「The Long Goodbye」を比較しながら、「友達」とは何か考えたことを批評文(3000~4000字)にまとめる」の概説と実習 『ロング・グッドバイ』とロバートアルトマン監督「The Long Goodbye」の比較と、アメリカの都市文化の概説・メモの作成 最終課題のメモとドラフトを基にしたディスカッション 優秀文を基にした最終課題の講評と、授業のまとめ |
評価方法 | 授業中の小演習の提出を含めた出席点を40%、提出された各課題の出来を60%の割合で評価する。成績評価の基準は、AA(100点~90点)、A(89点~80点)、B(79点~70点)、C(69点~60点)、D(59点以下)とし、合格は、AA、A、B、Cとする。 |
教科書 | |
参考書 | |
メッセージ | 「東京圏」が育んできた都市文化について考察しながら、批評文を「作品」として仕上げるトレーニングを行っていきます。文学の一形式である文芸批評について、その対象となるフィールドの広さと深さを、課題を消化しながら実感してもらえればと思います。 |