国際コミュニケーション論

年度 2010
科目名 国際コミュニケーション論
教員名 山脇 千賀子
授業概要 本授業では、学生のみなさんが国際社会における諸問題を「コミュニケーション」という視点から理解・分析できるようになることをめざします。そのために、基本概念として自文化中心主義と文化相対主義という考え方をふまえます。そのうえで、現代社会に特有なグローバリゼーションの進行とそれに付随する異文化接触にともなう公的レベルにおける諸問題について、具体的かつ理論的に分析していきます。「国際社会」とは基本的に「国民国家」枠組みを前提としていますが、現実のコミュニケーションは必ずしも国家の枠組みに縛られるものではありません。そのため、複雑な枠組みの交錯状況が生まれています。こうした「国際状況」について、なぜそのような交錯状況が起こっているのかを、実感をもって理解してほしいと考えています。
授業計画 授業ガイダンス
文化相対主義と自文化中心主義(1)
文化相対主義と自文化中心主義(2)
世界の教科書にみる日本のイメージ(1)
世界の教科書にみる日本のイメージ(2)
情報とどうつきあうか
国際社会とマスメディア
移動・移住する人々と日本(1)外国人労働者問題とは
移動・移住する人々と日本(2)日本人移民とデカセギ
援助を介したコミュニケーション―ODAとNGO/NPO
商品を介したコミュニケーション―日本の輸入食品とフェアトレード
グローバル・イデオロギーの形成と困難(1)人権(1)子ども
グローバル・イデオロギーの形成と困難(2)人権(2)女性
グローバル・イデオロギーの形成と困難(3)人権(3)先住民
グローバル・イデオロギーの形成と困難(4)経済発展と開発
グローバル・イデオロギーの形成と困難(5)環境
グローバル・イデオロギーの形成と困難(6)平和と構造的暴力
グローバリゼーションと文化(1)マクドナルド化
グローバリゼーションと文化(2)多文化主義(1)
グローバリゼーションと文化(3)多文化主義(2)
グローバリゼーションと文化(4)クレオールの可能性
グローバリゼーションと宗教
カウンター・グローバリゼーションの諸相(1)共生経済
カウンター・グローバリゼーションの諸相(2)社会運動
まとめ
評価方法 毎回授業終了時に提出してもらうコメント・ペーパーを50%、中間レポートおよび期末試験をそれぞれ25%として、総合的に評価します。
教科書
参考書
メッセージ 私は授業を学生とのコミュニケーションの場と捉えていますが、本授業は大教室で実施されることになるので、なかなか直接意見を交換できません。ですから、上述したように毎時間コメント・カードを提出してもらいます。授業に関して、わからなかったこと、疑問に思ったこと、感想・意見などを書いてもらうのです。このカードを通したコミュニケーションで、学生の皆さんと一緒に授業をつくっていきたいと思います。刺激的なコメントを期待しています。