環境衛生学

年度 2009
科目名 環境衛生学
教員名 岩井 秀明
授業概要 社会医学である衛生学は、人間の日常生活と関わる衣・食・住・土・水・大気・気象など様々な要因を研究し、健康で安全な日々を送ることを目的に体系化された化学である。その中には、食品衛生学・精神衛生学・労働衛生学・環境衛生学・被服衛生学などの専門分野が含まれている。この衛生の文字が保健に置き換えられることが多くなり、地域保健学・歯科保健学・老人保健学・こころの保健学、産業保健学など、人を中心とした内容の科目が開講されるようになってきている。環境について世の中が大きく変化しつつあることの一端である。衛生学の名を残す環境衛生学の原点は公害と屋内環境である。この講義では既にアテネ・スパルタの都市国家の頃から健康を脅かす社会現象として報告されている公害と環境汚染、現代の課題である環境ホルモン、化学物質不耐性症(過敏症)を中心に解説する。現代は技術革新により大量生産、大量保管、大量流通、大量消費の時代となっている。毎日の生活が快適、便利になった一方で、廃棄物への対応に努めなければならなくなってきている。法律、行政、政治、研究を関連させて健康に関連する環境問題を中心に解説する。
授業計画 講義では、水銀・カドミウム・臭素・農薬・ベンゼン・有機スズ・レジオネラ属菌、O157腸管出血性大腸菌、石綿など、健康を害した環境汚染・因子について、また、新しい分野の研究成果、たとえばホルムアルデヒドなどの屋内環境微量汚染化学物質、化学物質不耐性症(過敏症)、音環境や景観などの環境快適感の具体例について、解説する。
※ 学期授業予定回数と必ず一致するものではありません。
評価方法 出席及び期末試験により評価
教科書
参考書
メッセージ 21世紀は環境の時代と言われている。現在は微量化学物質問題が話題になっているが、皆さんの活躍する時代には栄養、運動も生活習慣病との関連から、重要な環境因子となると考える。又、予防としての環境教育も含め、国際的な視点からも環境問題を考えていただきたい。