旅行業論

年度 2009
科目名 旅行業論
教員名 佐々木 正人
授業概要 観光での旅行業の果たす役割は大きい。何故なら、旅行業は、旅行者と観光諸機関(宿泊・運輸・飲食業・テーマパーク等)との間を橋渡しする機能をもっているからです。このことから旅行業は観光諸機関を俯瞰できることもできます。一方旅行業はサービス産業、人流産業、文化交流産業、情報産業、システムオーガナイザー等々色々な名称で呼ばれています。これは旅行業が極めて多面的な活動を行っている産業体であるためと言えます。例えば,パッケージツアーでは消費者のニーズを捉え、旅を企画し、販売しますが、企画するに際しては、数多くの観光諸機関(旅行サービス提供機関)から、当該ツアーに最もふさわしい観光機関を選択し、これらを上手に組み合わせ、そこに付加価値を付け、ツアーを造成し、消費者に販売します。この様に旅行業者は、消費者、又他方では旅行サービス提供機関という全く異質な性格を持つ相手を視野に入れながら事業を営んでいます。授業ではこれら異質な二者を相手に、どの様に事業を展開しているのかを学ぶと共に、現在、進展する情報化、消費者ニーズの多様化、旅行形態の変化、観光立国の推進等々の下での旅行業の機能・役割・経営・課題等について学習、考察します。ともすれば経済的な面に傾斜しがちな観光立国の推進政策ですが、この中で旅行業が文化、環境・自然保護といった面で果たすべき役割をも併せ考えてください。
授業計画 1. 日本、外国における旅の変遷
2. 我が国及び海外の旅行業の沿革
3. 旅行にはどの様な形態があるのか(企画旅行・手配旅行・団体・個人グループ旅行・観光旅行・業務旅行・周遊型旅行・滞在型旅行 等々)
4. 旅行業とはどの様な産業なのか
5. 旅行業の機能と役割
6. 分野別(国内・海外・訪日外国人旅行)の業務と現状
7. 旅行事業とその経営の特質
8. 旅行業のマーケティング(1)—–旅行の企画・造成・旅行代金の決定
9. マーケティング(2)——-市場別販売活動と流通チャンネル及び広告宣伝
10. 旅行関係機関との関わり——-運輸・宿泊機関・飲食業・観光施設等
11. 旅行業を営む上で関係する 法律・約款等
12. 観光政策と旅行等—-VJC(ビジット・ジャパン・キャンペーン)を中心に
13. 情報化と旅行業
14. 新しい旅行形態(ニューツーリズム)
15. 旅行業の現下の課題と展望
評価方法 出席点・レポート・受講態度合わせ50点・試験50点の配分により評価を行い、これら点を加算し、大学で定められた評価基準に則り評価する。出席が3分の2に満たない場合は、評価の対象にはならないので注意すること。また、私語が多い者には単位は与えない。
教科書
参考書
メッセージ 旅行は、世界情勢、政治、経済、社会の動きに敏感に反応する。そのことが、旅行事業に大きく影響するので、受講生は、ただ講義を聴いているだけでなく、日常、マスコミ等のニュースに注意を払うと共に,その様な報道の内容が、どのように旅行業に関わってくるのかを考える習慣をつけて欲しい。又授業では、利益をあげれば、それで事業活動を良しとする考え方に片寄ることなく、旅行の文化、情報、環境といった面にも目配りしながら学習して下さい。