情報システム特論D

年度 2009
科目名 情報システム特論D
教員名 鈴木 昇一
授業概要 線形代数の基礎的なこと,特に,行列演算を使って,量子演算への入門が解説される.量子演算を行うコンピュータは量子コンピュータと呼ばれる.ノルムを保存する時間的発展(ユニタリ作用素による量子状態の時間的発展)が量子(コンピュータによる)計算である.量子力学に基礎をおいた計算である.量子演算が万能であることが示され,次第に様々な簡単な応用が解説される.ユークリッド空間の無限次元化としてのヒルベルト空間での数々の応用が量子コンピュータの価値を高めることになる.この高める有様が理解できれば,本講義を行った意義がある.ヒルベルト空間でパターン認識を行う量子コンピュータの構成論も説かれる.
授業計画 (1)量子コンピュータの仕組み,ヒルベルト空間,量子力学
(2)テンソル積ベクトル空間,クロネッカー積
(3) 量子コンピュータの数理モデル,ユニタリ作用素
(4)量子ゲート(量子論理演算)の実現
(5)離散積分変換(ウォルシュ・アダマール変換,選択的回転,離散フーリェ変換など)の, 量子コンピュータによる実現
(6)ファイルデータベースの検索
(7)Shorの素因数分解量子アルゴリズム
(8)その他の,簡単な数々の量子コンピュータ応用
(9)ヒルベルト空間でパターン認識を行う量子コンピュータ
学期授業予定回数と必ずしも一致するものではありません.
評価方法 ペーパ試験,レポート,出席状況の順に重きをおき,成績AA,A,B,C,Dの1つをつける.
教科書
参考書
メッセージ ”計算”という概念の最先端が量子計算である.量子コンピュターによる計算といわれているものであり,あるユニタリ作用素が複数回,適用されて得られる時間的発展である.解こうとする問題に応じ,ユニタリ作用素を適切に選ぶことが必要とされる.勉強する価値があるかも知れない.