.....In recent studies on consumer print media, the incidence of blacks in industrial advertising suggests that business advertisers are doing a better job of representing blacks proportionately than are consumer advertisers.....
Stevenson, Thomas H.
1990年代中盤のビジネス業界誌の広告における黒人の描写についての研究である。
これまで多数の研究で広告における人種的マイノリティの登場頻度や描写についての研究があったが、多くは消費者向けメディアを中心としており、ビジネス向け刊行物の広告についての研究は少ない。非常に多くのアフリカ系アメリカ人がビジネス向け刊行物の中心的な購買層になっているにも関わらず、こうした出版物の広告における黒人描写に対する関心が希薄である。
調査では、ビジネス向けジャーナルの広告における、黒人描写の頻度、職業表現、人種構成について調査し、年度ごとの変化を明らかにする。
調査対象となったジャーナルは、 Architectural Record(エンジニア、研究職、建築産業向け)、Chemical and Engineering News(化学産業向け)、Datamation(機械・電機産業向け)、 IEEE Spectrum(電機・電子・機械産業向け).の4種類である。5万部以上の発行部数を持ち、アフリカ系アメリカ人が専門的な部署に雇用されている産業の雑誌である。
著者は1966年/1976年/1986年/1996年と10年に調査を行っており、この論文では比較一覧できるようになっている。
それぞれの年度で、4ケ月に一冊を対象として、全面広告のみを対象に、内容分析を行っている。広告のうち、人間が含まれているものだけを対象としている。マンガや絵などの広告は扱っていない。コーダー間の信頼性の確認ではすべての項目で90%を越えている。
黒人のモデルは全広告のうちの、1966年で4.9%、1976年で10.6%、1986年で10.6%、1996年で10.9%で登場していて、76年以来微増であった。 モデルの数では、1966年で4.1%、1976年で10.6%、1986年で10.6%、1996年で7.7%となっており、1996年で若干減少している。
これらを現実の人口比と比較すると、黒人の管理職は7.2%、建築家は2.5%、エンジニアは4.7%などとなっており、雑誌の広告の人数や頻度はこれらを上回るものであった。
一般消費者向け雑誌では、黒人モデルはZinkham, Qualls and Biswas の研究で4.7%(Zinkham, Qualls and Biswas 1990)、Wilson and Biswasの研究では4%(Wilson and Biswas 1995)と報告されており、ビジネス向け刊行物の広告主は、消費者向けの広告主よりも、黒人表現でよりよい成果を上げている。
職業表現において統計上で有意な変化があったのは、管理・専門職で表現された黒人モデルが1966年では0%だったものが76年で36%に増加。86年から96年にかけても50%から83%へと大きく増加している。聖職者は1976年のみ多い傾向である。ブルーカラーは1976年では多かったが、その後に減少し、1996年では見当たらなくなっている。
家族として描かれた黒人モデルは1966-1986年にかけてまったく見当たらなかったが、1996年では50%と大きく増加した。
人種構成の描写では、別々の写真で混在した人種構成が表現された広告が1996で増加している。一つの写真で混在した構成のものや、黒人だけが登場する広告には年度別に変化は統計的には認められなかった。
調査結果の報告の前にある、プリントメディアの広告における黒人の表現に関連したレビューが参考になる。
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Contents Analysis Review |
製作/著作 日吉 昭彦/ひよし あきひこ copyright 2002 Akihiko HIYOSHI all rights reserved
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