.....テレビからの学習は直接的でフォーマルというよりもむしろ偶然的なものだが、文化変容(Acculturation)過程全体のなかでは重要な部分を占めているのである....

FCT子供のテレビの会テレビ効果研究会 訳

テレビと行動
70年代の科学的進歩と80年代研究への提言、Vol.1 米・国立精神衛生研究所サマリーレポート
Television and Behavor:
Ten Years of Scientific Progress and Implications for the Eighties Vol.1, Summery Report, U.S. Department of Health and Human Service, Natinal Institute of Human Health
FCT子供のテレビの会
1983



アメリカの公衆衛生局の呼び掛けで、1970年代に行われた「テレビが人間の行動におよぼす影響についての研究」の総合的な概観を行ったプロジェクトの報告書である。本翻訳はそのサマリーである。テレビが人々の暴力的/攻撃的な行動に対して与える影響は、この時期の極めて強い社会的関心であり、テレビの影響力に関する研究の評価の必要性が求められた。テレビの影響のなかでも、ニュースや報道、政治的社会的争点、広告を除いた「娯楽」番組に焦点をしぼって、研究を概観している。

テレビの「少数派・人種」表現に関しては、本書第六章の「社会化と社会的現実の諸概念」の小項「人種役割の社会化(pp77-78)」の部分で触れられている。

概観される研究は
  • Dominck, Joseph R. Greenberg, Bradley S. ,"Three seasons on blacks on television", Journal of Advertising Research, 10.2, pp21-28, 1970(1960年代後半の黒人登場人物の安定的増加傾向)
  • Gerbner, G., Signorielli, N., "Woman and Minorities on Television", Unpublished report, Annenberg School of Communication, University of Pennsylvania(スペイン系市民の過小な表現.....75-77年までわずか1.5%、アジア系も過小な表現.....70-77年までわずか2.5%、インディアン系市民は0.5%)
  • Baptista-Fernandex, P., Greenberg, B.S., Atkin, C., "The Context, Characteristics, and Communication Behavior of Blakcs on Television", in Greenberg, B.S., "Life on Television", Ablex, 1980(黒人とスペイン系は主にホームドラマに登場する)
  • Northcott, Herbert C. Seggar John F. Hinton, James L., "Trends in TV portrayal of black and women", Journalism Quartely, 52, pp 741-744, 1975(黒人とスペイン系は数少ない番組で、低い社会的地位で描写)
  • Lemon,Judith , "Women and Blacks on Prime-Time Television", Journal of Communication, 27,04,00, pp 70-79, 1977(白人と黒人のどちらが優勢か.....ホームドラマ:白人<黒人、犯罪ドラマ:白人>黒人)
  • Banks, C.A., "A Content Anaysis of the Treatment of Black American on Television", Eric Document 115.576, 1975(黒人ばかりの家族ドラマには、白人と黒人が混在している番組より、個人的家族的問題が多い。優勢さはどちらにも認められない)
  • Greenberg, B.S., Atkin, C., "Learning about Minorities from Television", paper presented at the UCLA Center for Afro-American Studies Conference, LA, 1978(白人の子供より、黒人の子供のほうが、テレビに登場する黒人の数を多いと考えている)
  • Atkin, C., Greenberg, B.S., McDermott, S., "Televison and Racial Socialization", Paper presented at the meeting of the Association for Education in Journalism, Seatlle, 1978(黒人の子供は黒人の登場人物が、行動力/力強さ/美しさで、白人登場人物よりもまさっていると考えており、白人のメディアに接した子供たちが破壊的な自己イメージを育てているわけではない)
  • Flip. R., Miller, G., Gillette, P., "The Sesame Mother Project: Final Report", institute for Educational Development, CA, 1971 (セサミストリートのような公共的番組は、少数派の子供の文化的誇り、自信、協調性に貢献している)
  • Greenberg, B.S., " Children's Reaction tp TV Blacks", Journalism Quartely, 49, pp5-14, 1972(白人の子供たちは、テレビから黒人の情報をえている)
  • Bogatz, G., Ball, S.J., "The Second Year of Sesame Street: A Continuing Evolution", N.J. Educational Testing Service, 1971(セサミストリートをみた子供たちは、見ない子供よりも、他の民族に対して好意的な態度をとる)
  • Meyer, T., "Impact of [All in the Family]: Is Archie Funny?", Journal of Broadcasting, 26:3, pp61-268, 1976(All in the Familyのような偏見的な番組をみたとしても、他の民族に対する偏見がうまれるわけではなく、視聴者個人が既にもっている既存の態度に影響される)
  • Surlins, S., "[Roots]Research: A Summery of Fidings", Journal of Broadcasting, 20, pp309-320, 1978(民族のルーツを探るような番組は、他の民族に対する肯定的な態度を涵養する) などである。

    本稿では、「特定の番組をみることが社会的現実の概念形成に関係している」「暴力や不信感にかかわる場合、テレビは視聴の社会的現実についての概念に影響を与える」と述べている。要約して「テレビは性、年齢、家族構成などについての態度に影響することも明らかにされた」と論じている。

    要約者の私見として、「人種」に対する不信感とテレビの影響について、本報告は肯定的な部分を中心に概観しているのでは、と思う。内容分析と関わる論文には、集計されたデータから直接導かれた知見以外にも、データの関係性や比較から、さまざまな現実のメディア表現に対する批判的見地のある言葉を残しているというのに.....ところで、メディア・リテラシーについて論じた部分は今読んでも新鮮だ。

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    ranslated & Summarized by 日吉 昭彦
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