.....it might be the first and easier step to take in a transition towards advertising that is similar to Western advertising.....
Ramaprasad,Jyotika., Hasegawa,Kazumi
An Analysis of Japanese Television Commercials
Journalism Quartery
1990年 67,4
p1025-1033
1987年6月-8月の、プライムタイムの民放4局で放映されたテレビCMを対象に、内容分析調査を行った結果の報告論文である。期間中毎日、4局の民放からランダムに一つのチャンネルを選び、7pm-10pmの時間帯から一日一時間ずつサンプルを決定する「構成された一週間」という方法で行われている。主に日本のテレビCMの外国語利用についての内容分析である。
テレビCMはグルーバルな企業のCMの存在で、標準化傾向が認められている。一方、購買/消費などにみる社会心理的な特徴、CMの文化基準などには、各国各文化で文化的な差異がある。
これまで日本のテレビCMは、情緒的表現が情報的表現よりも多い/遠回しな表現がある/インフォメーション・キューが少ない/15秒CMが多い/食品/飲料のCMが多い/西洋化の影響を強く受けているといわれてきた。西洋化については、近代化と西洋化のシンボルを使う/話言葉/書き言葉で英語を用いることが多い/西洋音楽を用いる/日本人以外 の登場人物が多い、などの点が特徴である。
調査におけるインターコーダーレリアビリティーは85-100%と高い結果が示された。
14時間分のビデオから410のCMを分析した。CMばサンプルの全時間中の29.29%にあたる。そのうち15秒CMは64.4%をしめた。また、食品/飲料のCMは34.1%、1トイレタリーのCMは6.3%、サービスのCMは12.7%であった。 表現の「遠回し」さを3段階の強弱の尺度で評定した結果、強い順に、59.8%、22.0%、18.3%となっており、仮説通り「遠回し」な表現が6割近くを占めた。つまり、多くのCMが情緒的なものだったことが明らかになった。 約90%のCMには音楽が使われていおり、73.9%のCMは一人の登場人物が登場していて、若者が多い傾向があった。
インフォメーション・キューが増えれば増えるほど、情緒的なキューより情報的なキューが増える。
このようにCMの全体傾向では仮説が支持されたが、日本のCMでインフォメーション・キューのないものは少なかった。
CMの西洋化についての結果を示すと.....
音楽のあるCMのうち18%が西洋の音楽を流していた。 英語は、話し言葉が77.8%のCMで、書き言葉が70.2%のCMで用いられるなど高い値を示している。 また、西洋音楽を流したCMでは英語が用いられやすく、話し言葉で英語が用いられると、書き言葉でも英語が出てくるなど、関係性が統計的に確かめられている。 日本人以外の男性は全CMのうちの15.9%、日本人以外の女性は全CMのうちの15.6%で登場する。
ただし、話し言葉・書き言葉が多い理由は、日本語の外来語の取り込みにありそうだと指摘する。また、外国関連の製品イメージには日本人以外、特に西洋人が使われる傾向があると述べている。
日本のCMは、近代的アプローチと伝統的アプローチが両立しており、プレゼンテーションのテクニックはソフト・セールで情緒的なものが多い。手法の面では、日本のCMは非常に標準化されている。こうした点から、日本のCMが西洋のCMに似通ってくる傾向が明らかになった。
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製作/著作 日吉 昭彦/ひよし あきひこ copyright 2000 Akihiko HIYOSHI all rights reserved
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