.....日本を中心とするテレビ番組のフローを考えてみると、何のことはない、アメリカからバイオレントなドラマを輸入し、外国へバイロレントなアニメを輸出しているにすぎないことになる.....

川竹 和夫

テレビの中の外国文化〜1985年度始業講演 短期大学部
東京女子大学紀要論集
第42号、1985年
p159-170


マス・メディアの伝える情報の国際的な流れ(フロー)を分析し、情報のインカミングとアウトゴーイングについて論考しているものである。

情報の流れに関して、情報受信国である日本は他の発展途上国と似たタイプであるという。また受信する情報のなかでもアメリカに関する情報が非常に多く、アメリカ偏重の傾向があるという。

日本では、1950年代以降70年代まで、アメリカのハリウッドで作られたドラマが編成の中心になる傾向があったという。一方、文化の違いから日本のドラマ番組は海外で受け入れられることが少なかった。チャンネルが多く、放送時間も長い現在の日本では、輸入番組の比率は低いが、アメリカで作られたドラマやアクションなど暴力的な要素を含むものが多いというのが典型的な番組編成のスタイルである。

ドキュメンタリー番組や海外取材番組のクイズ番組、テレビCMには、外国文化がかなり入っているが、「きわもの番組/内容」が多く、外国文化にはステレオタイプ的なイメージがうまれる恐れがある。

テレビCMには「外人タレント/外国風景/外国語メッセージ」などの「外国要素」が極めて多く入っている(全CMの46%)。そのうちアメリカ/ヨーロッパがそれぞれ1/3を占め、その他の地域は少ない傾向がある。これらのCMは、極めて限定的で、若干抽象化されたステレオタイプイメージを強調している。

日本から外国に輸出される番組の中心はアニメであるが、非常に暴力的と批判を受けている。




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