... It is clear that it would be exceedingly difficult for viewer to obtain much accurate information about the distribution of occupation by watching his television screen.........The best resolution of distortion would be to present both the "IS" and "CAN BE".....
Seggar, John F. Wheeler, Penny
World of work on TV, Ethnic and sex representation in TV drama
Journal of Broadcasting
1973
17.2
p201-214
テレビドラマで表現された職業的役割とエスニシティに関する内容分析調査を報告する論文である。
調査は1971年2月の午後3時30分から11時までの毎日、および同年同期間中の土曜日の午前10時から11時に放映された、テレビドラマを対象としている。このサンプルから、理解できる役割表現をもった登場人物1832人について、主に職業役割表現について詳細な内容分析を行っている。
問題関心として、現実社会の職業分布とテレビ表現の違いや、役割表現と性差の関わり、エスニシティとステレオタイプ化した職業表現、「少数派」登場人物の登場頻度と描写時間などがあげられている。
職業役割、性別、エスニシティ、演技時間の項目について、精密なコーディングカテゴリーが作成されている。またテレビで表現された職業役割については、アメリカ人口統計局の資料と比較されている。
結論としては、以下の10点があげられている。
1)登場人物の人数の比率は現実の人口比率とは異なる
2)「女性」表現は過小である
3)専門家や管理に関わる職業が、過剰に表現されている
4)テレビ上での労働市場と現実の労働市場を比較して、比率の近い職業は、農業と農業管理部門の分野だけである
5)サービスの分野を除き、地位の低いものの表現は過小である
6)「少数派」集団の職業は、「白人」アメリカ人と比べ、個人向けサービスの分野に集中しており、ステレオタイプ化されたイメージがある
7)「男性」は保守サービスの職業につくものが過剰に表現されている
8)「男性」にも「女性」にもステレオタイプ化された職業役割表現がみられるが、「女性」は「男性」以上に限定された役割を担っている
9)登場人物の少ない「少数派」集団の表現は、均衡的な表現となっている
10)「少数派」登場人物のほとんどは、登場時間が3分以内である
各項目について、詳細なデータが示され、個別のデータが面白い。統計的な検定がほどこされており、職業役割表現の研究にとって非常に参考になるものである。また方法の説明も詳細に行われており、内容分析における職業役割の分析という主観的になりがちな分析について、客観性を得るための方法論的アプローチを学ぶ上でも参考になる。1950年代のテレビの内容分析のレビューが簡単に行われているが、50年代に関してはあまり注目されていないので、序論の文献研究も参考になる。さらに、文学的修辞のなかに含まれたテレビメディアの内容への提言の言葉は重く響く。必読!
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Contents Analysis Review |
製作/著作 日吉 昭彦/ひよし あきひこ copyright 2000 Akihiko HIYOSHI all rights reserved
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