.....「日本的なもの」への回帰がいま国民的日程になっているかにみえるが、それは第一に「アメリカ的戦後」への決別であり、「声調否定の経済学-環境保全的思考」への傾斜をその背景としていると思おうのである。そういう転換点のなかでガイジンが位置を変えて日本と接触している.....

川上 宏

放送批評
テレビCFにみる現代日本の社会状況
-「ガイジンCF」の氾濫と「日本的なるものへの回帰」の混在が意味するもの-
1972
11月号/No. 58
pp18-pp23


1970年代の「日本的なるものへの回帰」を基調とする社会状況のなかで、二律背反的ともみえる「ガイジンCF」の氾濫という現象を通じて、戦後日本の歴史と社会心理学、マスコミ、国際関係を論考する名著である。

第一にサントリーのテレビCMに「外国人」タレントが多く登場することに着目し、「権威付け」「くすぐり」「東西交流型」の3タイプの分類を行っている。登場人物のコミュニケーションにおける、日本・外国の位置づけの違いをそれぞれのタイプのCMで分析を行っている。

その送り手側の背景として、広告効果の大きさ、国際的な大物イメージの付与、国産品にない違った味の付与、それに加え、国内の俳優を使い切ってしまったことなどを上げる。

次に、1970年に開催された万国博覧会を事例に、技術・経済的な日本の水準の上昇と、日本・外国の位置関係を論じる。「かつてこちらから訪ねた欧米はむこうからこちらへやってくるようになった」というものである。一方、戦後日本の急速な経済発展のなか、アメリカの経済疲弊で、典範としてのアメリカが夢でなくなったとする。日本も急速な経済活動集中政策による不況の到来と、この欧米という目標をなくした「無目標社会」が到来し、「日本的なるものへの回帰」が見られるようになるという。

そして、「ガイジン」広告の氾濫は、こうした対外意識の位置関係の変化のなかで起きた現象であるとする。サントリーのテレビCMの「ガイジンもの」の分析になかには、こうした社会現象の構造変化が見て取れるというものである。




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