火の見櫓 子供の時から有った、父、祖父の時代からそこに有った、毎日学校へ通うと き、畑仕事、山仕事の行き帰りに毎日その前を通ったのに、余りにも身近かでそ の存在すら忘れてしまった火の見櫓、使われない方が長閑で平和な故、忘れられ てしまう、忘れられてしまった方がよいのだ、万が一火事や津波が村を襲えば大 声を上げて危急を知らせ、頼りになる事を思い出させてくれる。孤高の人の様に 村外れに佇む火の見櫓が好きです。 堂々とタワーの様にそびえ立つ鉄骨の火の見櫓と違って、まるで立ち枯れた古 木の様に味の有る姿の「木の火の見」に魅かれて民家を撮る傍ら日本中から集め た火の見が100を越えました、山奥の集落に、村はずれに、海に見える岡に上 に佇む姿は任務の重さを想像出来ない可憐なものです。 北から南まで人々の生活の中に溶け込んだ優しい「木の火の見」をご覧くださ い。