平和学

年度 2008
科目名 平和学
教員名 林 薫
授業概要 「平和」とは戦争などの「直接的暴力がない状態」を意味することは言うまでもありません。しかし、今日「平和」の概念は、戦争のような直接的な暴力だけではなく、貧困、不平等、搾取、差別、環境破壊、そのほかの抑圧、恐怖、欠乏などの「構造的暴力がない状態」と理解されるようになって来ています。この講義では世界の直接的・構造的暴力の状況を直視し、それらがない社会をどのように実現するか、私たち一人一人がそれに向けてどのような役割を果たしうるかということを考え、具体的な行動に向けての準備を行うことを目指します。また、この講義では特に平和をもたらす経済的要因に注目します。貧困や経済停滞が紛争の要因になること、資源の偏在や富の不平等が不安定化の要因になっていることがが最近の研究で明らかになっています。開発援助も紛争の防止という観点を重視するようになってきています。この授業では、経済開発や援助と平和の関係について、最近の研究成果を踏まえて、最先端の情報や知識を学ぶことを目指します。
授業計画 平和学が目指すもの 構造的暴力論 人間の安全保障の概念
戦争と平和 国際関係論における基礎的概念と言説
力の均衡・国際協調の生成と発展
国民国家と戦争 ナショナリズムの展開と国家間紛争
冷戦の後の世界と内戦
民族紛争とその理解 エスニシティ-
ガバナンス・崩壊国家・ポストコロニアル家産国家
紛争の経済的要因の分析(1)
不平と機会
紛争の経済的要因の分析(2)
リスク分析と援助機関の取り組み
平和構築と援助
紛争地への援助とその問題点
コミュニティーのエンパワメント
人間の潜在能力 アマルティア・センの平和と開発
他者理解を目ざして
評価方法 授業への積極的参加への度合い(出席を含む)および期末のレポートで評価を行う。紛争要因の分析の基本を理解したかどうか、開発と平和の関係についての基礎知識を習得したかどうかを評価の基準とします。
教科書
参考書
メッセージ 「無関心」が暴力を生み出します。世界の出来事に関心を持つことが出発点です。