ジェンダー論

年度 2007
科目名 ジェンダー論
教員名 椎野 信雄
授業概要 <ジェンダー>とは、性別(男女の区別)のことですが、なぜジェンダーというカタカナ語を使うのでしょうか?それは、あなたが今、頭に思いつく「性別」についての考え方(たとえば女と男のあり方あるいは男女関係や性関係、恋愛やセックスや結婚などなどについての考え方)を、あたりまえのこととか、自然なこととか、当然のことだとして自明視するのではなく、それとは別の見方で理解するためなのです。ではなぜ、ジェンダーという言い方が必要なのでしょうか。それは今までの捉え方では気づかない大切な事柄(人間や社会や世界や人生の問題)がたくさん今の世の中にはあるからです。<ジェンダーの視点>でものごとを見てみると、「性別」と無関係だと思っていた事柄も、今までとは別様に見えてくるし、性別自体の考え方も変わってくるかもしれません。そうすると、あなたの人間観・社会観・世界観・人生観が格段に広がることでしょう。そのための第一歩を踏み出す入門的「知識」を講義したいと思います。
授業計画 講義ガイダンス (この授業の内容と形式について説明します)
これまでの学校教育ではあまり習わない性概念としてのジェンダー
私たちの自明視した「性別」観(男女二分法)を自覚する
性別身体を再考する (生殖・出産の性教育ビデオを鑑賞し、<ジェンダーの視点>で見直す)
性の分化のメカニズム (インターセックス/半陰陽の事実を理解する)
性別(SEX)とジェンダー(GENDER)を比較対照し、「性別」をアンラーンする
「性同一性障害」やトランスジェンダー(TS/TG/TVなど)を理解する
女性学・男性学・ジェンダー学の存在を知る
性別役割分業意識とジェンダー後進国日本の現状を知る
家族の中の男女観 (近代家族をアンラーンし、脱近代家族へ向かおう)
性差別批判とフェミニズム(女性解放思想) (<ジェンダーの視点>の原点を知る)
セクシュアリティ(異性愛と同性愛の制度) (セックスって社会制度なんだ)
性別文化のポリティックス(力学) (ジェンダー後進国日本の中のあなたを変える)
評価方法 いくつかの課題の提出と、2/3以上の出席率で受験資格ありとする。出席(26%)、毎回のコメントペーパー(26%)、定期試験の「レポート」(4000字)(48%)によって評価します。
教科書
参考書
メッセージ この授業は、講義内容を暗記したり、覚えたり、記憶したり、ノートを取ったりすることに主眼を置くのではなく、ある事についての考え方・見方・捉え方を、自分で興味・関心をもって、自分の頭で理解し直してみることに主眼があります。性別(女と男)のことについて、これまでとは違った視点で考え直してみませんか。「アンラーン(unlearn)」を学んでみませんか。