文章演習F

年度 2006
科目名 文章演習F
教員名 升野 龍男
授業概要 前期は比較的、制約の無い文章作りです。それはそれで良いのですが、制約がある中で文章を書くこともよくあります。これはスポーツでも同様で、ルールの中で如何に記録を伸ばしたり縮めるか、得点を挙げるか。見せ場を作るか、感動を呼ぶか。ここがスペシャリストの腕の見せどころ。後期は、これに取組みます。日頃の生活の中に、喜びがあり、悲しみがあり、ドラマがあり、発見がある。情報のハンターになって欲しい。仕入れた情報は、すぐさま適切な言葉にしてみる。そして、つなぎあわせてみる。キラリと光る文章を書くのは、重要なことですが、工程から見れば、最後の定着作業にしか過ぎません。重要な作業の大半は、実はその前に終わっています。質の高いモノを作り続ける。それは、腕の良い寿司職人がネタとシャリを握る前に何をしているか、それと同じようなことを、日常化できるか、どうかなのです。他人との競争ではなく、自分の中に可能性を発見して、その可能性と競争して欲しいと思います。3年後期は就職とも面と向かう時期。自己紹介と自己プロデュースの違い、その上で自己プロデュースの方法も具体的に指導します。努力の日常化ができた学生は驚くほど進歩します。
授業計画 カリキュラム
①目撃・観察・洞察・発見の日常化 ②自己アピール ③広告文 ④論文等
演習の方法論
講義を行なった上で課題提示、次回は宿題の評価と講義・討論と課題提示、この繰り返しでゆきたい。パソコンを使った個別指導も行ないます。
評価方法 演習課題はきちんと受講していないと書けません。2/3以上の出席が必要です。目撃力・観察力から「何故を発する」、その謎を解く洞察力(仮説設定力)、仮説検証力・真理発見力、それらをまとめ上げる体系的論理構築力の体得を指導します。評価の割合は出席40%、演習課題40%、論文提出20%。後期は、問題提起力を重視します。学生は、共同社会の住人です。それに対し、多くの社会人は、利益社会の住人です。この決定的な違いは、時間に対する考え方の違いです。共同社会での行為はあまりお金に換算されませんが、利益社会はそう甘くありません。多くの方は利益社会に歩を進めると思います。それゆえ、価値を生む行動力、つまり効果的な時間の使い方も評価します。ゲーテ曰く「常に時間はたっぷりある。上手く使いさえすれば」ですから。演習課題を期日までに的確に提出しないと合格点は得られません。遅刻は15分迄。それ以上は欠席。
教科書
参考書
メッセージ 「目撃・観察・洞察・発見ノート」を作成し、毎回必ず持参してください。「人生に夢があるのではなく、夢が人生を作るのだ」。「後進に優しく親切に当る人よりも、欠点をガミガミ指摘する人の方が、結果として後進を育てる」。これはほんの一例に過ぎません。常識的に言われていることの裏返しに、意外な真実が隠れている場合もあります。問題意識が明確なら、食料品「偽装」も、それは「手段」であり、目的は「詐欺」であることが分かるはず。マスコミの指摘が適切ではないことを見抜ける。一流の書き手を目指すなら、常日頃こういう発見や問題提起を心掛けて欲しいと思います。レポートが状況報告だけでよいとするなら、カルテは状況を診断し、病名を特定し、処方箋を書かねばなりません。後者は明らかに優れた技術が無ければ出来ない作業です。前期で森下洋子さんの話しをしましたが、彼女の自己認識の凄さもご紹介しましょう。「ダンサーになって何が良かったと思いますか?」という私の問に、「女だからプリマになれました」、と答えてくれました。自己プロデュースとは、自己の目標を「宣言」し、それを実現する努力を自らに課し、追い求めること。ただ漠然と記述するのではなく、自分のアイデンティティを具体的に認識してから書くのとでは、まったくといってよいほど違います。