日米比較経済論

年度 2006
科目名 日米比較経済論
教員名 杉山 富士雄
授業概要 日本企業は、外部市場との取引より、組織内部での「長期継続的・相対的取引」を主軸とした運営を得意として、株主、経営者、従業員などのステーク・ホルダーの共同利益最大化を目標としていた。そして、その企業行動をモニターしていたのが、「メイン・バンク」の銀行であった。しかし、現在、グローバリゼーションの中で、日米の市場システムは、流動化しつつあり、見直されている。今後の日米のシステムの変化の方向を、≪情報の非対称性≫、≪制度と組織の多元性≫、≪文化の経済学≫等の「New Microeconomics」を手がかりに、日米両国の企業の内部組織を比較しながら、検討・考察する。
授業計画 日米の企業統治
日米の企業金融
日米の雇用慣行
日米の生産システム
日米の流通系列
日米の研究開発支出
日米の政府と民間部門の関係
新古典派経済学の前提への疑問
契約と取引のコスト
情報の非対称性
日本的経営成立の根拠
経済の外部性と公共財
中古車市場と「レモン」の問題
情報の質と保険市場の不成立
企業組織とモラル・ハザード
雇用制度の改革と賃金インセンティブ
貸し渋りと非対称情報
地球温暖化と環境ビジネス
企業・利潤に関する俗流「搾取論」批判
競争戦略と顧客市場のゲーム理論
アメリカの経済成長分析
(市場メカニズムの利用)
アメリカ産業の国際競争力とIT投資の役割
(アメリカ型生産システムの限界と、改善努力)
評価方法 毎回の出席・発表・質問を重視する。期末レポートは下記のテキスト・参考文献に関連して、出題します。出席(50点)、レポート(50点)。
教科書
参考書
メッセージ 現代の経済学は、財の同質性、完全情報・所有権を前提とした資源配分のメカニズムを解明する『競争市場の一般均衡分析』の欠点を克服すべく、『情報の経済学とゲーム理論、及びその企業組織の内部への適用』という方向へ大きく発展しています。インセンティブ、モラルハザード、リスクシュアリング、ホールドアップ、ロックイン、コミットメント、コーポレート・ガバナンスなどのゲーム理論のキーワードが、新聞紙上で日常に使われています。