劇画論

年度 2003
科目名 劇画論
教員名 宮本 大人
授業概要 「劇画」という言葉は、戦後のある時期に、既存の子ども向けストーリーマンガに対する不満を持つマンガ家たちによって、より高い年齢の読者に向けた作品のスタイルを指すものとして、使われ始めました。のちに、それが、読者の年齢にかかわらず、あらゆるストーリーマンガを指すものとして、使われるようになりましたが、現在ではまた、あまり使われない言葉になっています。私たちが慣れ親しんでいるマンガをどう呼ぶか、ということにも、それなりの「歴史」がある、というわけです。この授業では、日本のストーリーマンガについて、その歴史を踏まえながら、さまざまな角度から考えていきたいと思います。
授業計画 はじめの数回で、マンガを捉えるための基本的な枠組みについて話した後、個別的・具体的なトピックを扱っていくことにします。
おおよそ次のような話題を取り上げていきます。
・日本のマンガの現状と海外進出
・マンガの「文法」-マンガが読めることは普通ではない-
・マンガの「不純さ」をどう捉えるか-いろいろなアトムをめぐって-
・日本のマンガ史概説
・「キャラ」が「立つ」とはどういうことか
・少女マンガ雑誌とそのふろく
・マンガと子ども部屋
・「劇画」の時代-貸本マンガからの誕生-
・「劇画」の時代-『週刊少年マガジン』の1970年-
・マンガの中の東京
・マンガ制作における編集者の役割
・『リボンの騎士』を読む-少年とリボン-
・『リボンの騎士』を読む-サファイヤのいた場所
・マンガと野球
・マンガと戦争
評価方法 小論文形式の学期末試験で評価します。
教科書
参考書
メッセージ 多くの人にとって、マンガは、ちょっとした娯楽でしかありません。しかし、ちょっとした娯楽としてマンガを読む人がこれだけの規模で存在している現代の日本という社会は、歴史的に見ても、世界的に見ても、普通ではありません。単にマンガを楽しむだけでなく、マンガを楽しむとはどういうことか、マンガを楽しむ人がたくさんいるとはどういうことかを、改めて考えてみると、実にいろいろなことが見えてきます。複数の作品を比較しながら読んだり、マンガという商品が生産され読者の手元に届くまでの仕組みを考えたりすることにも、私たちが世の中を見るときの視野が広がっていくきっかけが、含まれているのです。多くの人の様々な興味に答えられるような授業を工夫しますが、好奇心旺盛な人の受講を期待します。